三島野菜で健全な食を地域とともに育み、次世代に繋げたい

鈴木さんが三島の地に移り住み、フードカルチャー・ルネサンスを創業したのは2年前。そもそも農業を始めようと思ったのは、東京のIT関連企業の社員として携わっていた事業がきっかけでした。
「ITを活用した農業用ネットワークやインフラの開発・整備に携わっていたのですが、そこで実際の農業の現場を見て、後継者不足による国内農業の衰退の問題、その他、野菜の生産や流通など、現状の様々な課題に直面したんです。最初は仕事としてあくまでも農業支援という立場での状況改善を考えていましたが、このままでいいんだろうか?自ら渦中に踏み込み取り組むべき課題では?また、農業は一生を懸ける価値がある産業ではないか?という自分自身のビジョンへと変わっていったんです」 そんな事業に携わる少し前に、当時借家で暮らしていた神奈川県から永住の地を探していた時にふと箱根を越えてみたらどうなんだろう?と訪れたのが三島。「雄大な富士山と眼下に広がる駿河湾の水平線を前に、一度は静岡県を離れ長年忘れていた心が疼き、別天地を見つけたような気がし、すぐに三島への移住計画を進めたので、実は農業よりも三島移住が先だったんです」

東京への新幹線通勤をしながらも、農業への夢はふくらみ続け、空き農地を紹介してくれる知人や多くの地主の存在もあって一大決意を固めたのだそうです。「正直、不安も多かったのですが、行政やJA、近隣の地主の皆さんから親切かつ丁寧なバックアップをいただき、何とか少しずつ軌道に乗ってきています」と鈴木さん。現在では標高の異なる大小11の圃場で300品種を超える野菜を農薬や化学肥料を一切使わず栽培するまでになりました。
野菜づくりに最適だという三島の土壌を生かして栽培する野菜には、全国各地のレストランやホテル、個人のお客様などから、毎日指名で多くの注文が入ります。

これが人間らしいライフスタイルだと実感

そんな野菜の栽培・収穫から発送までをスタッフのひとりとして共に行っているのが佐伯さん。昨年、三島市の移住推進補助事業を受けて三島に移り住んだ、オスマン・サンコン氏のご長男です。
「朝は早いけど、夜も早い。東京時代とはまったく違う生活ですが、今ではこの方が人間らしいライフスタイルだと実感しています。あの通勤ラッシュもないですしね(笑)」
東京時代には健康維持のためジムに通っていましたが、今ではそれも不要。「初めてここに来た時と比べると見違えるほど体が絞れた」そうです。
「野菜が少し苦手だった妻も、自分の作った野菜を心から美味しいと言って食べてくれます」。早めに仕事を終え、わが家で奥様とともに食卓を囲む時の充足感は何ものにも代えられないと、三島暮らしを日々楽しんでいます。

そんな佐伯さんを始め、20~30代の若者や40代の子育て中のお母さん方が集うフードカルチャー・ルネサンスのこれからについて、鈴木さんは「例えばレストランとのコラボレーションや農と食に関わるアグリツーリズムなど、“種から口に入れるまで”をもっと身近に感じてもらえるような多彩な事業を展開していきたいですね」と熱く語ってくれました。

鈴木 達也さん

【みしまりすと歴 16年】

フードカルチャー・ルネサンス代表。島田市出身。東京のIT企業への勤務の傍ら、これからの新しい農業スタイルを確立するため、2年前にフードカルチャー・ルネサンスを設立。「健全な食を地域社会とともに育み、次世代に繋げる」を理念に、箱根西麓の大小11の圃場で多品種の野菜を栽培・直販しながら、農業体験や食育活動、料理教室やレストランとのコラボイベントなどを展開している。
フードカルチャー・ルネサンス FB https://www.facebook.com/FoodCulture.R/

佐伯 勇さん

【みしまりすと歴 10カ月】

東京生まれ東京育ち。オスマン・サンコンさんのご長男としてギニア大使館関連のサンコン氏の仕事をサポートする中で農業への興味を募らせ、沼津出身の奥様のご縁もあって三島に移住。フードカルチャー・ルネサンス鈴木氏のもと、農薬や化学肥料を一切使わない野菜の栽培に取り組んでいる。

みしまINFO

箱根西麓三島野菜

箱根西麓三島野菜

近年ではブランド野菜としての認知も広がっているのが、三島が誇る「箱根西麓三島野菜」。関東ローム層の地盤に火山灰が堆積した三島の土壌。豊饒さと水はけがともに優れたこの大地と豊かな日差し、四季の変化の中で育つ、色鮮やかで味の濃い野菜は、全国のシェフたちから熱い注目を集めています。

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箱根西麓野菜

三島市・移住推進補助金交付第一号

三島市が2016年度からスタートした移住推進補助事業。その補助金交付の第一号が佐伯さん。この「住むなら三島移住サポート事業」では、一戸建てやマンションの取得やリフォーム、耐震補強支援から子育て世帯への給付まで、移住者に最大265万円の補助を行っています。

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