平成28年度女性まちづくり講座成果発表会を開催しました

市では、女性が政策・方針決定の場へ参画するため、また地域のリーダーとなることを目的に、意識の高揚や必要な知識等を身につけるための連続講座『女性まちづくり講座』を実施しています。
 27年度に行った課題の洗い出しや現状把握をもとに、28年度は、課題解決のための政策提言を作成、成果発表会にて政策提案をしましたので、その内容をご紹介します。
   今回いただいた提案は、今後、事業化に向けて担当各課にて検討を行っていきます。

■成果発表会概要

日時:平成28年10月14日(金)13時から16時40分まで
講師:静岡大学 人文社会科学部法学科 日詰一幸教授
場所:富士山南東消防本部消防庁舎3階 会議室
内容:
1 市長挨拶:
2 グループ発表と意見交換・質疑応答
 (1)「アクティブシニアのからだづくり」
 (2)「いいじゃん!みしま 三島再発見」
 (3)「子育て支援のさらなる充実」
 (4)「ワースト1からの脱出!国際環境都市へ」
 (5)「親育ち応援プロジェクト~イライラママからしなやかママへ」
 (6)「自分の命は自分で守る防災(危機管理)教育」
 (7)「三島アイデンティティ・三島のDNAを呼び起こす『三島らしさ』の構築」
 (8)「一生現役まちづくりプロジェクト~市民みんなで作ろうワクワクトキメキ街中かわら版」
3 講師の講評
4 修了証授与

1 アクティブシニアのからだづくり

[現状・課題]
・三島市ではスマートウエルネスを推進しており、みしまタニタ健康くらぶ、各公民館での健康体操等、健康づくりに関する取組みが活発である。
・単なる健康増進のため、ロコモティブシンドローム予防のための健康づくりなのか、何のための健康づくりなのかを見つめたい。
・多くの取組みがなされている中、関心のない人たちへの働きかけをどのようにすればよいか。
[調査方法]
・他市の事例参考
・保健委員へのアンケート
[調査結果分析]
・保健委員になって健康への関心が高まった人が8割いた。
・食事と運動とがセットになった取組み、運動しながら社会参加、といった運動だけでなくプラスαが好まれる。
[政策提言]
1 シニアという言葉を「プラチナ世代の若返り講座」という表現にかえる。ネーミングを市民公募して、参加者を増やすようにする。
2 健康ボランティア講座を受講した卒業生を中心に、以後の講座サポート隊を結成、これから健康講座に参加しようとする人たちへのお手伝いをしてもらう。
3 運動とプラスαのコラボイベントを開催する。
4 地道に継続して、健康づくりへの参加呼びかけに取り組んでいく。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・各地域で健康づくりに関するグループ・アクティビティが自然と起きていくことが理想。
・どうしても女性の参加者ばかりで、なかなか男性の参加率が低いので、どうしたら男性がより多く参加するのかについて考えて欲しい。
アクティブシニアのからだづくり

2 いいじゃん!みしま~三島再発見~

[現状・課題]
・広報誌やホームページ等、三島市も十分情報発信しているが、市民に伝わっていない部分がある。
・市民自らが良いと思うものを伝えることで、もっと市民が三島の魅力に気づけるのではないか。
[調査方法]
・他市の事例参考
[調査結果分析]
・広報誌は、◎発行→読んでもらえるとは限らない◎読まれる→伝わるとは限らない◎伝わる→行動するとは限らない、であることを知る。
・市民目線の情報発信=身近な人が発信することで、より注目される。
・何度も、いつでも、どこでも目や耳に入ることが大切だと結論にいたる。
[政策提言]
1 モニターテレビ(デジタルサイネージ)の設置。
2 市民アナウンサーを募集し、情報発信。
3 「三島版 プロフェッショナル 仕事の流儀」といった市内の魅力的な人や企業を紹介する番組コンテンツを盛り込む。
4 情報発信は、市が民間の会社に委託することで、市からは管理の一元化、市民からはよりリアルで楽しく有益な情報を提供してもらえるといったメリットをうみだす。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・過去に民間でモニターテレビを設置していた時もあったが、現在は市民生涯学習センターや公民館等の3箇所で設置されている。今後、民間で協力いただけるのか等、調査していきたい。
・9月からシビックプライドを進めていくための専門家チームをたちあげたところ。その話し合いの場で、効果的な情報発信等について投げかけていきたい。
・広報誌が来年1月号から右とじ、縦書きにかわる。内容も人にフォーカスする等、魅力的な企画を考えていきたい。
・もっと情報が身近に感じられるよう、デジタルサイネージはとてもよい案だと思う。
いいじゃん!みしま 三島再発見

3 子育て支援のさらなる充実

[現状・課題]
・三島市は子育て支援策は充実しているが、もっと市内外にとって「子育てにやさしい街=三島」と思ってもらうための施策を提案したい。
[調査方法]
・他市の事例参考
・アンケート調査
[調査結果分析]
・子育て支援が充実しているという印象を受ける市町では、民間団体(NPO等)の活動が盛んで、市と協働している。
・アンケート結果では、三島市の子育て支援策について、ある程度満足している人が多いとわかった。
[政策提言]
1 ベビーステーションの導入
・富士宮市が取り組んでいる市内にあるコンビニで、◎粉ミルク用のお湯の提供◎紙おむつの販売◎おむつ交換台又はそれにかわるスペースの提供を進める。
・さらに、三島市独自のサービスとして、ベビーステーション導入業者の「定期的トイレ掃除」を実施することで、一定水準を保つ。
2 インフルエンザワクチン接種の補助導入
・市民1回1,000円の助成。小学生以下の子どもは、1回目の予防接種を全額助成。
3 夜の一時預かり制度の導入
・市民文化会館の催事で託児付チケットを販売する。
・特別な日に子どもを預けて、夫婦2人で食事を楽しんでもらうといった預かり制度を実施する。(飲食店の売上アップにつなげる)
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・粉ミルク用のお湯の提供は、静岡県が「子育て優待カード」事業として、現在、市内のコンビニでも一部実施中。また、みしま女将の会等で、お手洗い等を子育て中の親子へ貸出しできるようにしていこうという話もでているようなので、進めてもらえるよう見守りたい。
・インフルエンザの予防接種への助成は、試算するととても財政的には厳しい。
・アモーレ三島実行委員会がたちあがっている。来年2月に、レストランウィークとして、ゆっくりと食事を楽しんでもらえるような企画を考え中なので、今日の託児についての意見も参考にしたい。
・スマートウェルネス事業で企業とコラボしてできることがあれば検討していきたい。
子育て支援のさらなる充実

4 ごみの減量・ワースト1からの脱出 国際環境都市へ

[現状・課題]
・県内10万人以上の人口の市で1人あたりのごみの排出量が1番多いということを市民が知らない。
・ごみの出し方、マナーが悪くなっていると感じるため、改善したい。
[調査方法]
・他市の事例参考
・アンケート調査
・関係機関へのヒアリング
[調査結果分析]
・生ごみを最後にギュッとひとしぼりしない(水を切らない)人が78%いた。
・生活系ごみの有料化を知らない人が55%。
・年間のごみ処理費用が10億円以上ということを知らない市民が多いので、もっとごみ問題に関心をもってもらいたい。
[政策提言]
1 ごみに対する幼児教育と地域での周知徹底
2 古紙リサイクルボックスの利用
3 周知方法のアイデアとして、ごみ削減に関するメモ・情報を入れたリーフレットを生ごみ袋に入れて配布、等。
4 業者と提携した分別古紙回収の自治会を拡大する 
5 事業所のごみの取扱い方の変革(市内事業者数5,600に対し、ごみの出し方が不明な事業者は3,265)
  不明な業者のごみの扱いを把握する。
・視察に行った富士・掛川・藤枝市は集積所には一切出せない。
・地域で集積所に立ち、監視チェックする。
・事業所専用の有料ごみ袋を買ってもらい、その袋で出してもらう。
6 ごみ減量のネットワーク(組織づくり)
・環境美化推進委員、女性団体、ボランティア・ごみ減量アドバイザーとの連携
7 小型家電を宅配回収(民間業者と連携)←相模原市で実施中。
8 集積所の監視を強化する
9 食品ロス・フードバンクの設立
10 (最終手段として)ごみ袋の有料化
11 行政の組織の任期を延長する(長期に職務に従事する専門職員を配置する)
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・幼稚園等でも早くから子どもたちに対して、環境教育は実施している。例えば、牛乳パックからトイレットペーパーが出来る様子を紙芝居で紹介したり、遊びで使うビニール袋を繰り返し使用したりといった具合。幼少時からの環境に配慮する教育は必要であり、今後も実施していく。
・ごみに関するお知らせは広報誌に年4回はさんでいるが、もう少し検討してもよいと思う。
・バスやタクシー会社等、企業とコラボして、ごみ問題や環境に関する広報をしてみるのも面白いかと思う。
・ごみ袋の値段を上げるのは最終手段だと思っている。
・古紙の持ち去りや集積場所のマナー向上の強化等、規制する条例等も検討中なので、見守ってほしい。
・職員の配置は適切に今後も行っていく。
・備蓄している防災食の期限が切れる前にフードバンクに渡している。食品ロスを減らす姿勢を市が見本としてこれからも実践していく。

ワースト1からの脱出!国際環境都市へ

5 親育ち応援プロジェクト~イライラママからしなやかママへ~

[現状・課題]
・市の子育て施策は充実してきているが、子育て中の母親に、「子育ては楽しいと感じるか」といった質問をすると、「楽しい」と答える割合は増加していない。
・子育てしている母親の幸福度を高めるには、どうしたらよいだろうか。
[調査方法]
・アンケート調査
・ヒアリング調査(専門家、子育て中の親、保育園・幼稚園の先生方など)
[調査結果分析]
・内閣府や三島市子育て支援課、自分たちグループが実施したアンケート調査の結果から、子育て中の母親の幸福感は外的な環境(子育て支援、サービス)よりも、内面的な要素(メンタル)に左右されることがわかった。
[政策提言]
1 ストレス対処法の講座を新設する
・ストレス・マネジメントプログラムの実施により、レジリエンス(立ち直る力)を高める→考え方が変わる→ストレス対処力が高まる。
2 アートスタートの提供
・ブックスタート!スポーツスタート!に続く、3つ目のスタート。初めての芸術体験→親と子のコミュニケーション促進や子育てのストレス、孤立を緩和できる。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・レジリエンス(立ち直る力)を高めることは、今、あらゆる人にとって必要なものと思われる。今後、PTAや母親学級等、話していただく機会をもてると良いと思う。
親育ち応援プロジェクト

6 自分の命は自分で守る 子どもの防災(危機管理)教育

[現状・課題]
・東日本大震災等、大規模な災害発生時に高齢者や乳幼児等は救出時に人手が必要となる場合が多い。しかしながら、現状、専門の職にある人(消防士や救急救命士等)が全ての人を救出することは難しい。
・子どもの頃から非常時にどのように行動すれば良いのかを訓練することで、自分の命は自分で守ることができ、その結果、専門の職にいる人(消防士や救急救命士等)や大人が身近にいなくても、助ける・助かる人が増えるのではないか。
・東日本大震災時に、「誰に救出してもらったか?」という問いに対して、近所の人→家族→消防士等の職にある順であったことから、日頃から誰もが防災意識や危機管理能力を高めることが必要と感じる。
[調査方法]
・子ども向けの防災(危機管理)教室を実施し、体験した子ども本人や周囲の大人の感想を集め、効果的な防災(危機管理)教育の重要性を明らかにする。
[調査結果]
・大人が常に一緒にいるとは限らない状況下で、子どもたちだけで火災現場から避難する→ドアの開け方、煙の中での移動方法、助けを呼ぶ方法を実践。→訓練したことがなければ、子どもたちだけで正しく逃げることはとても難しいとわかったため、訓練の必要性を感じた。
・小学校高学年や中学生が、AEDの扱い方や三角巾(もしくはその場にあるもの)による傷病者の手当の仕方等を学ぶことで、大人がいない・足りない非常時に即戦力になる。→子どもたち自身にも心構えができる。
[政策提言]
1 教育現場や社会福祉移設等で、日頃から防災(危機管理)教室を開催・参加させることで、子どもたちを未来の防災リーダーとして育てる。
2 防災カフェを開催することで、市民誰もが防災意識の向上や知識を深める。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・東日本大震災以降、幼稚園や保育園、小学校等、子どもへの訓練内容が変わった。非常時だと1人の先生がみることのできる子どもの数に限界がやはりあるので、子どもへの防災教育はとても重要だと思う。
・災害時は、自助・共助がとても大切。消防団やNPO等でこのような防災意識を高める講座・教室を開催し実績を積んでほしい。
・ぜひ幼稚園や保育園等で開催してほしい。
自分の命は自分で守る!防災(危機管理)教育

7 いのち・ひと・こころを育むプロジェクト~三島アイデンティティ・三島のDNAを呼び起こす「三島らしさ」の構築~

[現状・課題]
・昨今の「いじめ問題」等、小中学生の規範意識の低下が問題である。
・平成27年3月に小中学校指導要領の一部改正により「特別の教科 道徳」と位置付けられた。道徳教育の改善・充実を図りたい。
・三島市では「心の教育の推進」を実施しているが、市内共通の教材がないため、三島市の風土や人物を取入れた独自の教材を作成・使用するのが良いのではないか。
[調査方法]
・他市事例調査
・ヒアリング(市教育委員会、健康づくり課、専門家、等)
[調査結果]
・藤枝市が市独自の年代別マナーブックを作成、学校・家庭・地域を通じて子どもの育成を図っているので、これを参考にするのが良いと考えた。
・藤枝市では、マナーブック作成のための検討委員会を何度も開催している。三島市も同じように委員会を立ち上げるとよいのではないか。
[政策提言]
1 仮称『せせらぎみしマナーブック』とし、三島市独自のマナーブック作成委員会を結成する。
マナーブックは、配布時期を下記の5段階とし、その成長段階に適した内容を掲載する。
 1、誕生前 2、幼児期 3、小学校低学年 4、小学校高学年 5、中学生
2 活用方法として、1、誕生前←保健センターの健診時 2、幼児期←保育園・幼稚園で配布 3、4、5の小学校~中学生は、保護者懇談会や子育て相談会等で配布、説明。
・マナーブックには、いのちの大切さ・夢・絆・感謝・思いやり等と三島の自然、街並み、素材を活用して「三島らしさ」を取り込む。
3 マナーブックの活用を通して、「三島に生まれて、育って、暮らして良かったと誇れるまちづくり」をする。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・郷土(三島)に関する内容は、副読本『みしま』に全て入っている。
・学校によって道徳で使用する教本が違うのは、保護者、PTAが選ぶためであって、バラつきではなく特色と捉えている。
・道徳の教科書は、再来年から国の指導のもと1冊になる。来年から「見本」が提示されるので、それを市教育委員会では検討していく予定。
・いのちとは、つながりを意味すると考える。市では、最近、歴史まちづくり計画を策定し、未来に何をどう伝えていくかについて、取り組んでいる。今後、何か関連した冊子等を作成する際は協力してほしい。
・市内に絵本作家の方がお住まいで、今後、いのちをテーマにした内容でコラボ等していくと考えられるので、何か作成する時等、皆さんに御協力いただく場合は、よろしくお願いしたい。
三島アイデンティティ・三島のDNAを呼び起こす

8 一生現役まちづくりプロジェクト~市民みんなで作ろうワクワクトキメキ街中かわら版~

[現状・課題]
・困った時に助け合える人づくり・街づくりが必要。
・いざという時のために必要となる救急救命法について知識をもつ人を増やす。
[調査方法]
・事例調査
[政策提言]
1 街中に要望書ボックスを設置し、誰もが困った時に匿名で投書できるようにする。
2 投書された内容はすぐに対応し、対応結果を町内の掲示板等に掲示、市民に広く周知する。
3 救急救命講習の受講者をもっと増やし、いざという時に助け合える環境を整える。
[市長・教育長・関係部課長・聴講者の意見や感想]
・御自身が救急救命講習を受けられ、その必要性を感じておられるとのことなので、今後も活動を続けていただき、周りの方々にもその精神を伝えていただければと思う。
・広報みしまやホームページ、またSNSなど市でも色々なツールをもって、各種情報発信や共有に努めているところ、今後も必要な情報を必要な人へ届けられるような情報発信に努めたい。
8一生現役プロジェクト
※個人が特定されないために画像を荒くしております。御了承ください。

■日詰講師による講評

約2年間をかけて受講生の皆様がそれぞれの課題に取り組み、政策案を発表されたことに敬意を表したい。
この三島市女性まちづくり講座の特徴は、以下の3点だと思う。
1、他市等では単年度で終了するのに対し、三島市は2ヶ年をかけて、じっくりと学ぶ事ができる。
2、各グループが調査研究していく中、市職員も入って市の状況について質問に答えたり、担当課への取次ぎ等をしてくれるところ。
3、視察研修として自治体に研鑽に行けるところ。
受講生の皆様にとって、快適に、また効率よく学べる環境を整えてもらっており、活動しやすかったのではないかと思う。
今回御提案いただいたアイデアをここで終わりにするのではなく、もう少し純度を高めてみるとさらによいと考える。
どこの自治体でも、市役所の職員が気づいていない「ニッチの部分」を市民の皆様から御提案いただきたいと考えている。
これから受講生の皆様が、様々な活動をされ、御活躍されますよう心から期待している。
ぜひ、今後、今回の提案したことなどが市の施策として取入れられる時は実行者として関わってほしい。
皆様の活動が、三島市にとって大きな原動力となり、さらなる魅力となることを期待している。

成果発表会会場風景
成果発表会会場風景