お知らせ
郷土教室「葉っぱであそぼう!」の開催報告
期日:平成23年9月25日(日) 参加者:35人
楽寿園の葉っぱを使ったモビールづくりを行いました。葉っぱの葉脈を半紙に写しとり、それを色とりどりの画用紙に貼り付けてつくります。
「ぜんぶ自分でやるの!!」と絶対に譲らずがんばる子や、つくったものを木の枝に結び風になびかせて大満足の子、「保育園へのお土産にする」と夢中になってくれる保育士さんなど、大人も子どもも思い思いに楽しんでくれました。
半紙と色鉛筆があれば、いろいろなものが簡単に写せます。みなさんもぜひ、試してみてください。ちいさな発見があることまちがいなしです!
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郷土教室「夏休み体験デー」の反響を紹介します。
期日:平成23年8月5日(金) 参加者:80人 チラシはこちらこの日を楽しみにしてくれていた参加者が多かったようで、開始時刻には長蛇の列が・・・。
今回は、「勾玉づくり」「火起こし体験」「黒曜石ナイフ体験」「土器当てクイズ」の古代体験を用意しました。スタンプラリーも好評で、参加者それぞれに夏の楽しい1日をすごしてもらえたようです。
勾玉体験が大人気で、希望者全員に体験していただくことができず申し訳ありませんでした。
〜感想をご紹介します〜
・ 勾玉は意外と難しかったけど最後はきれいにできたのですごくよかったです。
・ いろんな経験をして初めて知ったことがうれしかったです。
・火起こしが一番疲れました。
![]() ▲火起こし体験 | ![]() ▲勾玉作り |
郷土教室「昔の道具体験」の反響を紹介します。
期日:平成23年6月19日(日) 参加者:140人
食育の日にあわせて、食にまつわる昔の道具を使った石臼体験(きなこ作り)・製麺機体験(うどん作り)・かつお節削り体験と、古代の土器を使った「土器 あてクイズ」を行いました。子どもにとっては、どの道具を扱うのもひと苦労。それでも真剣に挑戦していた参加者の皆さんは、初めての体験を楽しんでくれた ようでした。
(感想)
・ちょっと重かったけど、すりたてのきなこのとてもいいにおいがした。
・昔の道具を使ったことが初めてだったから楽しかった。
・昔はこういうふうに苦労してやっていたんだなあと思いました。
・昔の土器に触れてよかった。
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石臼体験 |
土器あてクイズ |
ふるさと講座「富士山伝説の地をめぐる」開催報告
開催日 平成22年11月19日(金) 開催チラシ(pdf)
参加者 24名
当日は天候に恵まれ、雄大な富士山を見ながら気持ちよく各見学地をめぐることができました。また、富士市観光ボランティアガイドの会や富士市立博物館学芸 員から見学先での解説をしていただき「勉強になった」、「わかりやすかった」と好評でした。村山浅間神社では氏子総代の方に境内にある興法寺大日堂を特別 に開けていただき、たくさんの仏像を見ることができたのも貴重な経験になったと思います。
見学先 富士塚→山部赤人歌碑→左富士(バス中)→竹採公園→
富士市立博物館→村山浅間神社
<参加者からの声>
・ 話に聞いていたが行ったことがない場所が多くあった。貴重な文化財、
丁寧な説明、ボランティアの方々に感謝している。
・ かぐや姫伝説はロマンがありまた富士山興法寺にてふだん見ることがで
きない大日如来を拝むことができてありがたいことだった。
・ 海からスタートして村山浅間までのコースは一度体験したかったので満
足した。
・ 村山浅間神社の富士登山の儀式を見てみたいと思いました。
富士塚 |
山部赤人歌碑 |
田子の浦の富士山 |
村山浅間神社 |
夏休みに開催したイベント「機織を体験しよう」の反響を紹介します。
期日:平成22年8月6日(金) 参加者:10人(午前3人、午後7人)
ふだんは2階の常設展示室に展示してある機織り機を使って機織りを体験しました。 参加した子どもたちは先生の指導のもと機織りの手順を確認しながら手足を動かし、約20分で10cmの幅の布を織り上げました。
(感想)
・裂いた布の色や経糸によって色合いが変わっておもしろかった。
・最初は難しかったけれどだんだん慣れてきて楽しかった。
・昔の人は破れてもこういう形で直しているからすごいと思う。
・糸も自分で作って布も作って、最初から最後までやってみたい。
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新・三島市郷土資料館建設基本構想について
三島市教育委員会では、郷土資料館におけるこれまでの活動の成果をもとに、さらなる三島のまちの発展を目持して、新しい「三島のまちの博物館」を建設する
ことになりました。ここでは、8月20日に策定された新・三島市郷土資料館建設基本構想をご紹介します(下記PDFファイル参照)。新しい施設に期待する
こと、「やってみたい」「こうして欲しい」などのご意見・ご要望など、ぜひ郷土資料館までお寄せください。
新・三島市郷土資料館建設基本構想(PDF 733kb)
ご意見・ご要望のMail kyoudo@city.mishima.shizuoka.jp
館長ブログ かんちょうさんのひとりごと
<2011/6/26>
みなさんこんにちは。二十四節季の一つ「夏至」も過ぎ、ここのところ、昼の長さを実感しますが、梅雨のまっただ中、蒸し暑さにあえいでおります。
小浜池の水位は例年になく上昇し、26日現在、106cmを記録しました。なんと、6年ぶりに水量の多かった昨年の約2倍となっています。今年の水位は いっったい何pになるのでしょうか?今から楽しみです。せりの瀬、中の瀬、はやの瀬では清冽な湧水が勢いよく湧きだし、周囲の新緑とあいまって涼やかな別 天地となっています。でも、おいでの際には虫除けを忘れずに!!
新館改築事業は、市長の指示を受け、現在、三島駅周辺グランドデザインの策定に係わる各種団体等との意見交換会に出席し、市民の皆さんのご意見をうかがっ ているところです。今後、改築を中止し耐震補強工事への転換、あるいは建築場所の変更等については、東日本大震災による情勢の変化も十分に考慮した上で、 9月頃をめどに決定する事になるでしょう。
三島市郷土資料館では、現在、「三四呂人形が見た近代」と題する企画展を開催中です。この展示会は今年度が市制施行70周年にあたるため、これを記念し て、三島市が成立する直前の時代を、野口三四郎の活動とその作品である「三四呂人形」を通して紹介するものです。大正時代のモダンな洋装の女性をモチーフ とした「パラソルさして」や「メリーさん」、昭和初期のブランコに乗る少女をモチーフにした「春日庭」など、張り子人形ならではの柔らかな、そして軽快な 動きのある作品を各時代毎に展示しています。会期は9月25日までと長丁場ですが、皆様のいち早いご来場を心よりお待ちしております。
い つもは常設展示の導入部、「大地の成り立ち」の展示資料の紹介をしておりますが、今回は自然科学系の二つの見学会に参加しましたので、その報告をいたしま す。一つは5月21日に行われた静岡県地学会主催の「沼津市周辺の凝灰岩と人間の関わり」をテーマとした春期野外観察会です。これは、沼津市周辺のジオサ イト見学会の第1回目として実施されたもので、数百年前の海底火山の岩脈が見られる函南町の「日守の大露頭」、古墳時代の横穴墓である伊豆の国市の「大北 横穴群」、第2次世界大戦末期の特攻基地である沼津市の「第15突撃隊江の浦基地」、縄文時代の海進の痕跡である沼津市の「多比海岸の海触崖と海食台」等 を見学しました。特に江の浦基地は、江の浦周辺に分布する凝灰岩を大規模に掘削して造営したもので、大変見応えがあり、こんな近くに、戦跡遺跡が良好な状 況で保存されていることに大変驚きました。もう一つは6月26日に実施された楽寿園の植物観察会で、楽寿園内の著名な草木を、二村先生の巧みな解説のも と、2時間にわたって見学しました。常日頃、全く気にもかけなかった樹木や草花の中には、近隣でほとんど見られない大変珍しい植物や絶滅危惧種があるな ど、驚きの連続でした。これまで、考古資料と遺跡にしか興味がありませんでしたが、改めて自然のすばらしさを実感した次第です。これも郷土資料館に異動し たおかげかな。
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楽寿園 中の瀬の湧水 |
江の浦基地 回天の格納庫 |
<2011/5/27>
みなさんこんにちは。三島市郷土資料館長の鈴木です。大変ご無沙汰いたしましたが、平成23年度も元気にブログを続けていきますので、よろしくお願いいたします。
ここのところ天候不順で郷土資料館の入館者が激減
しています。先日、沖縄は梅雨入りしたとの報道がありましたが、東海地方も近々入梅となるのでしょうか?。楽寿園は新緑の季節を迎え、公園全体がさわやか
な緑の若葉につつまれています。小浜池をはじめ中の瀬やせりの瀬の湧水も見られるようになりました。まだ26センチメートルとわずかですが、この時期としては水量の多かった昨年と同一の湧水量で、今年も期待できそうです。
平成23年
度は郷土資料館改築事業をひかえ、館職員も臨時ではありますが2名増員されました。ボランティア養成講座や体験学習プログラムの作成などでの活躍が期待さ
れます。また、郷土資料館改築事業は、3月末に建築、展示共に実施設計書が完成しましたが、新市長の指示により、建設工事が1年間先送りされました。平成23年度は郷土資料館建設について、市民のみなさんのコンセンサスを得るため、説明会を行っていく予定です。
郷土資料館では、現在、「写真で振り返る三島の70年」と題する企画展を開催中です。今年度は市制施行70周年にあたるため、これを記念して、昭和16年以降の代表的な出来事を写真パネルを中心に展示し、三島市の移り変わりをわかりやすく解説しています。会期は5月29日までと残り少なくなりましたが、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
さて、新郷土資料館の常設展示、「大地の成り立ち」の紹介も4回目となりました。第4ステージは三島溶岩流の流下です。
楽
寿園は、国の名勝・天然記念物に指定されていますが、ここでは縄状溶岩(溶岩がまだ流動的な時に、その表面にしわが寄って縄が連なったようになったもの)
や溶岩塚(溶岩の表面が冷え固まり始めているとき、まだ流れようとする周囲の溶岩に圧迫され、固まった表面の一部が押し上がって小さな丘になったもの)な
ど、特徴的な三島溶岩を見ることができます。この溶岩は、今から約14,000年前から8.000年前にかけて、現在見られる新富士火山から流れでたもので、玄武岩質溶岩であるため粘りけが小さく流動性に富み、その一部が旧黄瀬川に沿って40kmもの距離を流れ下り三島に達したものです。この溶岩流を三島溶岩流と呼んでいます。一枚の溶岩の厚さは1〜10m程ですが、何枚も積み重なっており、ボーリング調査によれば、小浜池の北側で約70m以上の厚さとなっています。右の写真は沼津市と長泉町の境を流れる黄瀬川のその中流域にある「鮎壺の滝」です。鮎壺の名は、ここから鮎が遡上できず、滝つぼに群れていたことから名付けられたといわれています。高さ約9m、幅約65mの規模を持ち、水量が豊かで何本にも分かれて流れ落ちる迫力ある景観が見られます。溶岩の下には約14,000年前に堆積した愛鷹ローム層(富士山の火山灰層)があり、柔らかいローム層が先に河川に浸食され、残された固い溶岩が滝を作りました。楽寿園と鮎壺の滝は、「伊豆半島ジオパーク」(小山2011)の「三島・沼津エリア」にある代表的な「ジオサイト」の候補となっています。
楽寿園の縄状溶岩
鮎壺の滝

<2011/3/2>
二四節季の一つ「雨水」も過ぎ、このところ暖かい日が続いております。そのせいもあって、楽寿園では先月まで堅いつぼみだった梅や川津桜が咲き始めまし た。1月のカラカラ天気とそれに続く寒波で、開花が例年より1週間ほど遅れたようですが、現在、ちょうど見頃になっています。早くも明日は3月3日で「桃 の節句」、待ち遠しかった春は確実にもうすぐそこまで来ています。
毎回ご紹介している郷土資料館改築事業は、ようやく実施設計の大詰めの段階となりました。建築設計は細部の調整を行っており、先日の議員説明会で指摘の あった外観デザインの見直しや消火設備・電気関係などの検討が行われています。展示設計は、2階のエントランスガラス壁面に設置するボーリングコアオブ ジェや体験学習ゾーン床面の三島全図の検討が行われ、3階の常設展示室は平面・立面の詳細図を作成中で、展示総覧の見直しも実施されています。一方、ボラ ンティア養成講座は企画がまとまり、3月5日に第1回目の講座を開催する運びとなりました。
郷土資料館では2月27日まで、富士・沼津・三島3市博物館共同企画展「わがまちからの富士山〜三市対抗富士自慢〜」の展示会を開催しましたが、2月23 日は「富士山の日」ということで、県内各地で富士山に関連する記念イベントが実施されました。当館でも「カルタでわかる富士山と三島」をと題するイベント を行いました。これは「三島カルタ」を使って三島の自然・文化と富士山のつながりを学んでもらうもので、元静岡県地学会副会長の「相原淳先生」に講師をお 願いし、富士山と楽寿園内の三島溶岩流の説明、三島溶岩の顕微鏡観察会が行われ、6人の子供達の参加がありました。子供火山学者達は、外見上真っ黒な溶岩 が、美しく輝く鉱物から出来ている事に驚きながら興味深く観察していました。見学会の様子と三島溶岩の偏光顕微鏡写真を貼り付けておきますのでご覧下さ い。
さて、新郷土資料館常設展示室導入展示の紹介も3回目となりました。今回は第3のステージである「氷河期の伊豆半島」を紹介しましょう。氷河期は約200 万年前を画期とする「第四紀」中に4回の大きな氷河期がありましたが、ここで取り扱うのは約7万年前から1万4千年前の最終氷期である「ウルム氷期」で す。氷河期には南北の極地や高山などに多量の氷が固定されたため、最大で120mも海水面が下降し、現在の海岸線ははるか沖合に後退しました。気温も現在 より8度ほど低くかったようです。この頃には前代の氷河期で陸続きとなった大陸からナウマンゾウやオオツノジカなど、現在では絶滅してしまった大型動物と 旧石器人がやってきて、生活を営んでいます。箱根山西麓では「初音ヶ原遺跡」をはじめそうした生活の跡が多数見つかっています。
この時期、もう一つ地質学上の大事件がありました。それは今から約2万5千年前、現在の鹿児島湾にあった「姶良(あいら)カルデラ」が大噴火を起こし、そ の火山灰が偏西風に乗って東に運ばれ、ほぼ日本全土に降り積もったのです。これが「姶良・丹沢パミス層(AT)」です。火口に近い部分では数十メートルも の堆積があり「入戸火砕流」と呼ばれており、三島付近では箱根ローム層中の表土から2mほどの深さのところに、約10cmほどの厚さの黄色の帯となって確 認されます。中には約3cmほどの丸い「パッチ」と呼ばれる火山灰の固まりが含まれており、微細な火山ガラスの固まりで、手に取るとキラキラと輝きます。 この地層を境に植生が大きく変化しており、寒冷化の原因の一つとも考えられています。植生が変われば動物相も変化し、それを糧とした人々の生活にも大きな 影響を与えたことでしょう。一方、この火山灰の降下年代がわかっているので、地層の年代決定や石器の編年研究の重要な層となっています。
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「三島溶岩」観察会 |
「三島溶岩」偏光顕微鏡写真 |
<2011/1/17>
皆さん、明けましておめでとうございます。旧年中、皆様には大変お世話になりました。当館も新館改築事業を始め、いろいろなことがありましたがなんとか乗
りきり、心機一転、新しい年に向かいたいと思いますので、今年もこのブログともどもご支援の程よろしくお願い申し上げます。
それでは今年も楽寿園の話題から始めましょう。時節柄、楽寿園の木々はすっかり葉を落とし、緑の衣を纏うのはツバキなどの常緑広葉樹と針葉樹ばかりとなり
ました。先月中は毎日の落ち葉掃除が大変で往生しましたが、いざなくなってみると張り合いがないというか、一抹の寂しさがあるものです。昨年の楽寿園は
「噛みつきザル」のラッキーちゃんで大盛り上がりでしたが、今年は白鳥の「ガーコ」に注目してみましょう。実は本当の名前はわからないのですが、ある人が
そう呼んでいるので、私も従いました。彼女?は郷土資料館の前の「すずめヶ池」の住人で、シベリアにも帰らずもう何十年もいるんだそうです。昨年中はグッ
タリし、ほとんど動きませんでしたが、最近、寒さとともにすっかり元気を取り戻し、近づくとエサをねだって寄ってきます。でもエサを与えてはいけません。
今、私の一番の遊び相手になっています。
郷
土資料館改築事業は、実施設計の真っ最中です。建築設計の方は引き続き基本設計の細部修正と調整段階で、消火設備や空調・電気関係などの具体的な検討と現
地測量が行われました。展示設計は、2階のエントランス・多目的ホール・体験学習ゾーンの展示設計が行われ、イメージスケッチが作成されました。エントラ
ンスにはウエルカム展示として、楽寿園梅御殿の「杉戸絵」や「三四呂人形」、「三島暦」の展示施設が盛り込まれました。3階の常設展示室は、導入展示の
「大地の成り立ち」、通史展示の「旧石器時代〜中世」にかけて展示設計を行いました。展示室中央のテーマ展示ゾーンのあり方が課題となっていましたが、近
世商家など民俗関係と原始時代の体験学習コーナー、休憩スペースを設置することでまとまりそうです。今月は通史展示の「近世・近現代」、それに民俗ゾーン
の「農家」、「ボランティア養成」の検討が始まります。
先月は導入展示の「大地の成り立ち」から「伊豆半島の生い立ち」を紹介しました。今月は、伊豆半島の北部に位置し、三島市の東半を占める箱根山について紹
介しましょう。伊豆半島の乗るフィリイピン海プレートが本州の乗るプレートの下に沈み込むことにより摩擦が生じ、マグマが上昇、今から約60万年前に箱根火山が出現しました。約20万年前から約4万年前にかけて活発に活動し、直径11kmの
カルデラと2つの外輪山、中央火口丘をもつ現在の複雑な山体となったことはよく知られています。特に今から6万6千年前におこった噴火は箱根火山最大の噴
火で、大規模な「火砕流」が発生、横浜市戸塚区から富士川河口までの広い範囲を覆いました。「火砕流」は火山灰や小石混じりの高温のガスで、秒速100m
もの早さで押し寄せる最も危険な噴火現象です。したがってこの火砕流に覆われた地域の生物は、全て死滅したことでしょう。この火砕流の堆積物は「箱根新期
軽石流」と呼ばれており、三島市の徳倉や谷田、赤王など箱根山西麓の丘陵末端部にその堆積を見ることが出来ます。また、この軽石層は比較的柔らかく掘削し
やすいことから、三島市赤王や函南町の柏谷では今から約1,300年前の古墳時代末期、横穴墓が盛んに築造されました。
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白鳥「ガーコ」 |
三島市赤王「清水洞横穴墓群」 |
<2010/12/2>
皆さん、こんにちは。郷土資料館長の鈴木です。早いもので平成22年もあと1ヶ月となりました。このブログもどこまで続くか心配でしたが、どうにか、こうにか、ここままでやってきました。それではいつものように楽寿園の話題から始めましょう。
晩秋となり、楽寿園は紅葉の真っ盛り、いや、落葉の真っ盛りです。職員総出で落葉と格闘の毎日です。あの「噛みつきザル」は一般公募で名前が付きまし
た。なんと「ラッキー」ちゃんです。楽寿園は恒例の「菊祭り」もサルことながら、彼女目当ての入園者が急増、こちらは「超ラッキー」だったようです。
郷土資料館改築事業は10月末、建築設計・展示設計ともに基本設計が完了し、11月から実施設計が始まりました。建築設計の方は基本設計の細部修正と調
整、具体的には倉庫・授乳室などの増設や消火設備・空調関係の調整、建物外観の検討などが行われ、パースもできました。今後、本格的な実施設計に移行して
行くことになるでしょう。展示設計は、ゾーニングや空間構成、展示構成が検討され、展示基本設計書がまとめられました。これから、いよいよ展示資料総覧・
平面図・展開図の作成が始まります。展示設計にとって最も重要な段階で、当館の学芸員諸君も気の抜けない毎日となるでしょう。
実は私も微力ながら導入展示と歴史展示の一部を担当することになりました。今日は導入展示の「三島のなりたち」から「伊豆半島の生い立ち」の資料を紹介
しましょう。地球の表面はいくつかのプレートに分かれており、それが水平に移動して大地が引き裂かれたり、末端では他のプレートの下に潜り込み、地球内部
に呑み込まれていくと考えられており、プレートテクトニクス理論と呼ばれています。伊豆半島は、ヒリッピン海プレートに乗った南方の海底火山として約
2000万年前に誕生し、噴火を繰り返しながら年間10cmほど北西に移動して、今から約100万年前に本州の乗るプレートに衝突、現在の伊豆半島の原形
が形成されたと考えられており、丹沢山地の隆起、箱根山や天城山など大型火山の噴火、そして関東大地震等もプレートの沈み込みに伴う大地の変動と考えられ
ています。では本当に伊豆半島は南の島がやってきたのでしょうか。それを証明するのが左の写真です。伊豆市下白岩の白色凝灰岩砂岩で採取された大型有孔虫
(レピドシクリナ)の化石です。有孔虫は熱帯もしくは亜熱帯の浅い海に生息する原生生物ですから、この化石は伊豆半島が元は南の島であった事を示していま
す。現地は県の指定天然記念物になっていて、化石の採取は出来ませんでしたので、写真は伊豆市のホームページから借用しました。
右の写真は駿東郡小山町生土にある「神縄断層」の露頭で、写真中央を垂直に走る線が断層線です。線の左側が本州で凝灰岩、右側が伊豆半島で礫層からなっ
ています。まさに両者が力比べをしている衝突の現場です。思わず、あと1000万年後、伊豆半島ははどうなっているのか心配してしまいました。このよう
に、三島の近くにも大地の成り立ちを観察出来る場所がたくさんあります。次回は三島の大地を形成した箱根火山と富士火山の謎を探って見ることにしましょ
う。
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| 伊豆市下白岩産出「レビドシクリナ」 | 駿東郡小山町生土「神縄断層」 |
<2010/11/05>
皆さん、こんにちは。なんと、全国的に有名になったあの「噛みつきザル」が10月10日、ついに捕獲されました。8月末から、三島市を始め近隣6市町にま
たがって出没し、118人の人に噛みつくなどの被害を及ぼしておりましたが、ついにご用となりました。捕まったサルは体長約60cmのニホンザルで、性別
はメスとのこと、キャラメルを剥いて食べたり、ぬいぐるみに興味を示すなど、人に飼われていた可能性が高いと考えられています。このため、野生に戻すのは
不可能で、楽寿園で飼育することになりました。現在、愛称を募集しています。捕まった当初は、しょんぼりとうなだれ、「反省ザル」状態でしたが、現在は元
気を取り戻し、檻の中を走り回っています。左の写真のように、その所業に似合わず結構かわいいおサルさんですので、話の種に一度ご覧になることをおすすめ
します。
楽寿園ネタをもう一つ。10月30日から恒例の一大イベント「菊まつり」が始まりました。今年の大型盆景は、右の写真のように「松本城」です。約1/10
で出来ているとのこと、大迫力の出来映えです。屋根の菊はまだ開花していませんが、10月7日から4日間ライトアップが予定されていますので、その頃まで
には咲き揃うことでしょう。また、今年の楽寿園の目玉の一つ、「アルパカ」も2頭やってきました。まだ、展示されていませんが、近々お目見栄することで
しょう。
前置きが長くなりましたが、郷土資料館10月のトピックスを紹介しましょう。いつものように、まず、郷土資料館改築工事です。建築設計、展示設計ともに、
予定どうり基本設計が出来上がりました。新資料館の建物は、延べ床面積1,566.8uのRC3階建て、主に1階が収蔵・調査研究スペース、2階が体験学
習室、多目的ホール、事務室のスペース、3階が展示スペースになっています。展示の方は2階が「ふれあいと憩いの広場」をメインテーマとし、古民家の再
現、交流や休憩、三島の概要、情報提供に関する展示、3階は「まなびと探検の広場」がメインテーマで、主に三島の歴史と古農家を復元した民俗体験の展示が
計画されています。試行錯誤はありましたが、異例のタイトなスケジュールの中、建築設計、展示設計業者の皆さん、建築住宅課、文化振興課の皆さん本当にご
苦労さまでした。引き続き、実施設計に移行することになります。もう一踏ん張りです。郷土資料館でも、展示資料の調査を進行中で、全員フル回転でがんばっ
ています。
一方、平成17年から6年間にわたり展示事業を行いました本町タワービルの「ふるさと歴史文学コーナー」は、同フロアーの「子育て支援センター」が規模拡
大されることに伴い、10月末日をもって閉鎖いたしました。市民の皆様には、長い間ご支援、ご愛顧をいただき、誠にありがとうございました。なお、同所に
展示しておりました「三島宿ジオラマ」につきましては、引き続き生涯学習センター2fに展示しております。三島をお尋ねの際にはぜひご探訪下さい。
行楽の時季を迎え、遠足なのでしょうね、楽寿園では毎日たくさんの小学生が走り回っています。おじさんたちも子供達にパワーをもらって、もう少しがんばることにしましょう。
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<2010/10/05>
郷土資料館のある楽寿園では、いつの間にか蝉の声が虫の音に変わり、落ち葉も黄色になりました。本当に暑かったあの夏も「噛みつきサル」もどこへやら、もう秋まっさかりです。
それではいつものように9月のトピックスを紹介しましょう。まず、郷土資料館改築工事す。9月はじめのブログで、建築設計の入札と展示設計のプロポーザル
が実施されたことは既に紹介しましたが、建築、展示ともに基本設計のための打ち合わせが毎週のように実施されました。中旬にはケーススターディとして、建
物や展示のコンセプトが近似する「練馬区ふるさと文化館」を関係業者と一緒に視察し、プラットホームの構築を図りました。石神井公園の中にあり、プール併
設という変わった施設ですが、今年3月のオープンで入館者数が既に10万人を超えたとか、大変すばらしい博物館です。広々とした館内は大変明るく、左の写
真のように展示もコンパクトにまとまっていながら随所に楽しい仕掛けがたくさん用意されていて、本当に面白い館でした。昼食は入り口の「エン座」というう
どん屋さんです。館長さんが武蔵野の食文化を伝えるため、わざわざ出店を依頼したとのこと、「うどんだけを食べに行ってもいいかな」と思える納得の一品で
した。月末には新館のレアウトもほぼかたまり、10月からは展示の方の詳細な検討が始まる予定です。
日頃、館内に居座り微動だにしない私ですが、珍しく、月末に箱根接待茶屋の調査に行ってきました。三島市文化財保護審議委員の鈴木先生のお供を仰せつ
かったもので、先月のブログで紹介した「茶釜」とセットとなる「大釜」を見てきました。右の写真が大釜です。こちらは鉄釜ですが、口径77cm、高さ約
60cmと巨大なもので、茶釜と同じ鋳造の由来や鋳造所が陽刻されています。鋳造所のあった江戸深川から船で運ばれ、沼津港か、あるいは大場川河岸のどこ
かで揚陸され、箱根山を上っていったのでしょうが、この当時、自動車はありませんから、大八車が使われたのでしょうか?こうした器物の運搬はもとより、そ
の鋳造や家屋の建築には相当の経費を必要としたはずです。この大釜からは箱根接待所再開に向けての八石性理教会の確固たる決意が伝わってきます。
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<2010/09/07>
暑いです!!今日も猛暑が続いています。8月5日から全く雨が降っておりません。畑の野菜も被害甚大だそうで、秋野菜の高騰が心配です。小浜ヶ池の湧水も8月16日の+138cmをピークに減り始め、今日は+95cmまで落ち込んでいます。こちらも何とか雨がほしいところです。暑いといえば暑さで頭に来たのでしょうか、ニホンザルが三島市の北部から裾野市、長泉町、沼津市まで広域に出没し、引っかかれたり、噛みつかれたりした人が80人以上にも上っています。網戸を開けて入って来るそうで、おちおち昼寝も出来ません。
さて、今日は、三島市郷土資料館8月の活動内容を中心としたトピックスをお送りしましょう。まず、郷土資料館の改築工事です。8月末に展示設計のプロポーザルが行われました。慎重な審査の結果、業者も決まり、建築とともにこれから10月末に予定される「基本設計」の策定に向け、おお急がしの毎日となることでしょう。
収蔵品展(前期)「三島宿と箱根西坂」の展覧会は8月29日
をもって終了しました。夏休み期間中ということもあり、大勢の方にご覧頂くことが出来ました。この展示会では、「広報三島」や「郷土資料館だより」でご紹
介した「接待茶屋の大茶釜」に大きな関心が寄せられました。重複は避けますが、この大茶釜は江戸深川にあった「太田七右衛門窯」で明治12年に鋳造され、「八石性理教会」による接待所再開のため、「大湯釜」とともにはるばる箱根山中まで運ばれてきたものです。接待茶屋では、約90年間、一日も欠かさず湯を沸かしたそうで、その使用年数を誇るかのように、にぶい光をはなっています。
8月18日
からは収蔵品展(後期)「楽寿園の名宝」が始まります。この展示会は、小松宮彰仁親王が三島別邸として築造された高床式書院数寄屋造りの「梅御殿」にあっ
た、主室「梅の間」の襖絵や杉戸絵を中心に、李王家の名品などを展示するものです。近代画壇を代表する作家による至宝を、ぜひご覧下さい。皆様のご来館を心よりお待ちしております。
さあ、もうすぐ食べ物のおいしい秋がやってきます。食べ過ぎ、飲み過ぎに注意して、楽しく美しい秋を満喫して下さい。

<2010/08/01>
長かった梅雨も明け、郷土資料館のある楽寿園は蝉時雨の毎日です。小浜ヶ池の湧水も好調で、7月30日現在、既に117pに達しました。昨年の同じ日
が、わずか19pだったことを思えば異常とも言える湧水量で、今年は平成16年と同じ満水となるのでしょうか?大いに期待しています。というのも、「小
浜ヶ池の増水」⇒「郷土資料館の入館者数の増加」という方程式が存在するようなのです。個人的にも注目しています。
さて、今日は、三島市郷土資料館7月の活動内容を中心としたトピックスをお送りしましょう。まず、最初になんと言っても世紀の大工事、郷土資料館の改築
工事です。7月始めには「基本構想」もまとまり、市長、議会、各委員会へのプレゼンテーションが行われました。本当に短期間でよくここまで出来ました。担
当者のがんばりには、ただ感謝あるのみです。22日には建築設計委託の入札があり、業者も決まりましたが、引き続き、来月には展示設計ののためのプロポー
ザルが予定されています。まだまだ気を抜けません。
7月3日から企画展「三島宿と箱根西坂」の展覧会が始まりました。内容については館のホームページをご覧下さい。この中に山中城跡から出土した「鉄砲
玉」が展示されていますので紹介しましょう。山中城跡は国指定史跡で戦国時代末期に後北条氏によって作られました。天正18年、豊臣秀吉に攻められ落城し
ましたが、その戦いは熾烈なもので、戦国時代最大の攻城戦とも言われています。戦いの主力兵器が火縄銃です。鉄砲玉は190発が見つかっていますが、この
うちの何点かは若かりし頃の私が掘り出したものです。おもしろいのは、左の写真のように3色の鉄砲玉があることです。青は鉛青銅玉、白は鉛玉、赤は鉄玉
で、赤はわかりませんが、青は後北条軍の玉、白は豊臣軍の玉で、後北条氏は鉛の入手が困難になったため、銭貨や梵鐘を鋳つぶして銅と鉛の合金にしたと言わ
れています。つぶらな瞳のような鉄砲玉、その奥には、まだまだ多くの謎がありそうです。また、この山中城跡は整備開始後36年が経ち、堀や土塁が崩落し、
芝生が痛んでしまったことから、平成21年より修復工事を始めました。まだ途中ですが、右の写真のように美しい「障子堀」が蘇りました。来館される皆様に
は展示されているている鉄砲玉をご覧になるとともに、山中城跡もぜひお訪ねいただければと思います。
さあ、これからが夏本番です。おいしいものをたくさん食べて暑い夏を乗り切りましょう。
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<2010/06/30>
はじめまして。三島市立郷土資料館の館長を務めております鈴木敏中と申します。平成22年4月に異動となりまして、あっというまに早くも3ヶ月が経ちました。 ?
まずは当館を紹介しましょう。当館はJR三島駅前の国の天然記念物及び名勝に指定されている市立公園「楽寿園」の中にある歴史系の小さな資料館です。し
かしその立地環境はすばらしく、今から1万4千年前に流下した富士火山の荒々しい溶岩流と天然池泉から湧き出す清冽な湧水が見られ、さらに周囲には自然豊
かな森林が広がっており、公園の四季折々の風情を楽しみながら資料館の展示をご覧いただけます。
館職員は館長ほか、学芸員3名、事務職1名で、主に三島市内の考古、歴史、民俗に関する資料収集と展示、年3回ほどの企画展を行っています。実はこの7
月に館のホームページの全面改定がありまして、パソコン苦手の私に「ブログを書け」との担当者からの強い要請がありました。作文は苦手中の苦手で、きちん
と書いていけるか不安もありますが、月1回程度の更新を目指してやっていきますのでよろしくお願いいたします。 ??
さて、郷土資料館では、現在、改築工事と収蔵資料のデジタルデータベース化という2つの大きな課題を抱えております。その悪戦苦闘ぶりや進捗状況につい
てもこのブログのなかでご報告していきたいと思っていますのでご期待下さい。7月3日から開催される収蔵品展「三島宿と箱根西坂」も目前に迫っています。
「三島宿」と「箱根西坂」に関する秀逸な品を展示しておりますので、皆様のご来館を心よりお待ちしております。
「館長、硬い!ブログなんだからもっとおもしろいことを気楽に書いたら!!」なんて声が聞こえてきそうです。次回は考えます。
では、第一回目はこの辺で失礼します。



















