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三島市立公園 楽寿園の自然

富士火山と三島溶岩の概要

 富士火山は富士火山帯最北部の西縁にあたります。この火山帯の多くの溶岩が安山岩質であるのに対して玄武岩質であることが、際立った特徴です。
 富士火山の上部は新富士火山といわれ、その下部に古富士火山が埋もれていますが、更にその下位に小御岳火山があります。この溶岩は珪酸分(SiO2)が多いカンラン石含有両輝石安山岩です。多くは古富士火山の泥流とその推積物におおわれています。古富士火山の岩石はカンラン石と輝石類の斑晶をもつ玄武岩です。
 新富士火山の溶岩の分け方はいろいろありますが、噴出時期によって古いものから旧(古)期溶岩・中期溶岩・新期溶岩の3期に分けられ、また、溶岩が分布している主な地域名を付して呼称することが一般的です。
 楽寿園内の溶岩は旧期に属し、三島溶岩といわれています。この分布は富士山南東麓の中腹より愛鷹山の東辺をまわり箱根山との狭隘部を南下して、三島市周辺に達しています。
 この溶岩と同時期のものは、山体の西側から南西麓に広く分布しています。大渕溶岩、富士宮溶岩、また山体の北側では猿橋まで達している猿橋溶岩と呼ばれているものがあります。
 この時期の溶岩は噴出量が多量である上、珪酸分(SiO2)の含有割合が少なく、低粘性のため流下距離が40〜50km余に達している所もあります。三島溶岩、猿橋溶岩はその代表的なものです。
 これら溶岩流は約1万1千年前から8千年前までの3千年の活動の結果で、その噴出量は約39kmとする研究者(宮地1988年)がおり、中期、新期の噴出量に比べて、数倍以上であるという特徴もあります。
三島溶岩の流下時期は、長泉町下土狩にある鮎壷の滝の最上層溶岩下で発見された木片14C半減期の測定の結果、約1万4千5百年前のものであることが分かっています。


註・14C の半減期は5千5百70年   (半減期=二分の一の量になる年数)
  古富士泥流層に埋まり、富士宮の潤井川の川床で発見されたヒノキの木片14C の測定結果は、1万8千5百年前後
  富士山総合学術調査報告書 富士急行
  玄武岩 ハワイ・・・毎分1500mの流速 1000〜1200℃
  安山岩 浅間山・・・毎分70〜80mの流速
            (天明年間 鬼押出し)

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