伊豆半島7市6町首長会議 第3回伊豆半島防災シンポジウム
東日本大震災を教訓にするため、被災直後から、最前線で災害対応に当たられた方々をお招きし、基調講演、パネルディスカッションの中で様々な視点からの避難所運営に係るご意見をいただきました。
日時:平成27年11月25日(水) 午後1時~3時40分まで
場所:三島市民文化会館 大ホール
参加者:約800人
プレゼンテーション 1 「国土交通省の災害対応~TEC-FORCEの役割と活動~」
TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)について、災害対策用機材や隊員、東日本大震災時や他の災害時での活動について講話をいただきました。
国土交通省中部地方整備局沼津河川国道事務所 所長 梅村 幸一郎 氏
基調講演 「被災者の生活支援と要配慮者サポート、自治体間の連携」
~東日本大震災・ふくしま避難所の運営に学ぶ~
●講師 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター客員准教授 天野 和彦 氏
東日本大震災において、2,500名を超える被災者を抱え、福島県内最大規模と言われた「ビッグパレットふくしま避難所」の県庁運営支援チームの責任者として、避難所運営に携わる。避難所において、自治活動の促進をコンセプトにさまざまな活動を展開した。
●内容 東日本大震災の福島県の状況、「ビッグパレットふくしま」の状況や取り組みについて講話をいただきました。班についても縦割りでは問題が見えなかったことが、つながりを持つことにより見えてきたことや「交流」と「自治」が大切であること。住民間のつながる力、コミュニティ形成が大切であることがわかりました。
プレゼンテーション2 「静岡県の大規模地震被害想定について」
静岡県の第4次地震被害想定について、地震の震度や震源地からの距離と津波の到達時間、人的、建物被害やライフラインの被害等の講話をいただきました。
静岡県危機管理部危機政策課 危機専門監 黒田 健嗣 氏
パネルディスカッション 「多様な避難所運営~地域の生活者と観光交流客の保護~」
被災直後から、最前線で災害対応に当たられた方をお招きし、当時の発災直後の様子や問題への対処、伊豆半島へのアドバイスをいただきました。
大災害時に「公助」はあてにできず、「自助」と「共助」が大切であることを東日本大震災を体験されたどのパネリストの方も言われました。
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コミュニティが大切と話す天野氏 -
被災時の状況を話す阿部氏
パネリスト
●福島大学うつくしまふくしま未来支援センター客員准教授 天野 和彦 氏
●元岩手県宮古市危機管理監 小笠原 昭治 氏
東日本大震災時、岩手県宮古市の危機管理監であり、宮古市の災害対応全般にわたり、陣頭指揮をとる。宮古市は、津波で市の本庁舎が1階天井まで浸水した。また、発災から3日後の3月14日現在で避難所85か所、避難者数8,889名に加えて、在宅被災者を合わせて1万余名への支援に対して、自衛隊等の支援部隊と円滑な活動に努めた。
●宮城県 南三陸ホテル観洋 女将 阿部 憲子 氏
震災時は館内にいた宿泊客等350名を高台の駐車場に誘導し難を逃れ、その後も6か月間にわたり600名の地域住民や医療ボランティア等をホテルの部屋に受け入れた。ホテル所有のバスで被災地を回る「語り部バス」は毎日運行し、現在も子どもの学習支援、高齢者に対して無料入浴の提供を継続している。
●元岩手県釜石市両石町内会長 瀬戸 元 氏
津波により海岸から奥行700mに位置する230戸の町内は、15戸のみを残し壊滅状態となり、瓦礫で寸断され3日間孤立した。町内会長として普段より「命てんでんこ」の啓発に努め、避難に際し、“要援護者”の避難救護「15分ルール」の発案が、実践に結びつき全員を避難させた。