富士山は昔、噴火活動が盛んであったため、富士山そのものが神として崇められ、浅間神社が建てられ深く信仰されてきました。
富士山に鎮座し富士山を拠点とした浅間神社の祭神は、三嶋大社の祭神、大山祇命のご息女の木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)別称:浅間大神(あさまのおおかみ)と言われております。
日本書紀や古事記に書かれている神話が有名であり、その神話から、木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)は、火難除け、安産や子授け、酒造、農業・漁業守護の神様として祀られています。
木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀る神社は富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)と、日本国内の浅間神社にあり、三島市にもあります。
三島市では三島市芝本町に木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀る浅間神社があります。浅間神社と並んで芝岡神社があります。
かつては富士登山をするときに、登山者は必ずこの神社に詣でたと伝えられています。そのゆかりで毎年7月1日の山開きには、JR三島駅前で農兵節踊りが奉納されます。例祭は毎年7月15日・16日にあり、芝岡神社も合わせて祭りが行われます。
古くは三嶋大社の別宮であり、神階正五位(しんかいしょうごい)を授けられ三嶋大社に次ぐ名社でした。木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、波布比売命(はぶひめのみこと)を主神とし、瓊々杵命(ににぎのみこと)、火明命(ほあかりのみこと)、火蘭降命(ほすせりのみこと)、彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)が祀られています。
木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の姉の磐長姫命(いわながひめ)だけを祀る神社は、雲見浅間神社(静岡県賀茂郡松崎町)、大室山(静岡県伊東市)の浅間神社、伊豆神社(岐阜県岐阜市切通)があります。磐長姫命(いわながひめ)の化身は大室山と言われています。木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が磐長姫命(いわながひめ)を探して富士山が高くなったという説もあります。
今から約一万年前の富士山の噴火によって、約30㎞にわたる三島溶岩流と呼ばれる地層がつくられました。水をよくとおすこの溶岩流の影響で、上流域で降った雨や雪が、地下にしみ込み、溶岩流の中をゆっくりと移動して、下流の三島駅周辺の三島湧水群や、さらに下流の柿田川で湧き出しています。
三島市で使用される水道水は、すべて地下水を源とし、伊豆島田水源池と、湧水群のある柿田川から取水される駿豆水道から供給されています。
私たちの暮らしにかかすことのできない、おいしい三島の水は先達からの贈り物であり、また、後世の人たちに引き継ぐべき預かり物です。
◇三島溶岩流とは、
「三島溶岩流」は、パホイホイ溶岩(注)的な特徴がみられ、所により、餅状(もちじょう)溶岩、縄状(なわじょう)溶岩が見られ(楽寿園内)、国指定の天然記念物及び名勝になっています。その他、溶岩丘、(寿園常盤森付近など)、溶岩塚(愛染の滝、職業安定所、三島北高校紫苑森など)、溶岩トンネル(三共株式会社三島工場敷地内地下など)の形成などの特徴があります。
(注) ハワイ島におけるハワイ語に由来し、低粘性の玄武岩質溶岩の1つの形態。表面が滑らかで内部の発泡も均一であり、厚さも数m以下と薄く、数10cm以下のものも決してまれではない。薄く固結化したその表面は、 内部の流動によって“しわ”が形成され、ちょうど縄を何本も並べたようになることがあり、このような表面をもつパホイホイ溶岩を縄状溶岩と呼ぶ
楽寿園(園内)
楽寿園の小浜池(渇水時)
白滝公園