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龍澤寺の文化財

紙本著色(しほんちゃくしょく)白隠(はくいん)自画像
(県指定文化財、絵画)



 この自画像は白隠が没する前年の明和3年(1767)、83歳の作品です。大分県臼杵の月桂寺11世大同禅師に与えたものとして著名であり、白隠着色画の傑作の1つとされています。弟子が師の像を受取ることは印可(いんか)(注)の証明です。白隠は『夜船閑話(やせんかんわ)』、『藪柑子(やぶこうじ)』『遠羅天釜(おらてがま)』など多くの著作とともに書画にも優れ、『達磨(だるま)』『自画像』など独自の作品を多数残しました。     
    
紙本著色白隠自画像
    紙本著色 白隠自画像


(注) 師僧が弟子に悟りの道の熟達を証明すること。
出典 『三島市誌 中巻・下巻・増補』、『静岡の美術と文化』、『静岡大百科事典』


入江長八(いりえちょうはち)の鏝(こて)細工
(市指定文化財 工芸)

 漆喰(しっくい)鏝絵(こてえ)を創作した名工入江長八は、またの名を伊豆長八(いずのちょうはち)と言い、文化12年(1815)松崎町で生まれました。12歳で左官職人への道を歩み出し、21歳のころから狩野派の絵を学び始めました。それから後に、幾多の研究を重ね、漆喰鏝絵と呼ばれる独特の技法を考案しました。長八が64歳のとき、龍澤寺の星定老師のもとに坐禅修行のため参籠(さんろう)し、『不動明王』、『二童子像』など隠寮(いんりょう)(老師の部屋)の諸作を制作しました。その後も『天孫(てんそん)降臨図(こうりんず)』、『龍』、『星定老師像』など数々の作品を残しました。龍澤寺には長八の作品が約20点ほどありますが、板戸や壁に鳥や龍、山水、花などが鏝で丹念に描かれています。境内に入ると、庫裡(くり)玄関上に描かれた大きな龍の絵が、最初に来訪者を迎えます。
龍澤寺 入江長八の鏝細工
入江長八の鏝細工
          

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