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保健衛生

保健行政は、住民の健康の保持およびその増進を図ることが目的です。この内、市町村の果たす役割は救急医療事業、老人保健法による医療給付と保健、住民検診、予防接種、看護婦(士)による母子保健サービス活動などです。

三島市の保健事業


離乳食講習会
離乳食講習会で

三島市立保健センター(南二日町8-35 TEL 973-3700)では、市民の生涯にわたる健康情報の管理体制の整備と生活習慣病の予防活動を充実し、市民1人ひとりが自らの健康を管理する自主的な健康づくりの推進をめざした各種事業を行っています。

静岡県総合健康センター


静岡県総合健康センターの写真静岡県総合健康センター

 静岡県が提唱している「はつらつ健康県しずおか」の実現を目指して、平成8年(1996)、箱根西麓(はこねせいろく)(谷田2276)に設置されました。「健康づくり」を目的にした主な事業は次のとおりです。

1 調査、研究(医学栄養運動などの健康科学に基づいた調査研究)
2 情報収集、提供(健康づくりに関する各種情報を集め、県民と
各市町村の健康福祉センターに提供します)
3 指導者の養成、研修(県民の健康づくりを支援するために、健康づくりの指導者の養成と研修を行います)
4 普及啓発、相談(健康づくりのイベントを開催し知識の普及に努めます)
5 健康度測定(希望者に医学的検査、体力測定を行い、その結果から健康づくり実践プログラムを処方
(しょほう)します。

 記の事業のため、医師、保健婦(士)、栄養士、健康運動指導士などの専門スタッフが配置されています。


健康度測定コース(要予約)
総合健康指導 7,000円 毎週水、土曜日
体力測定 550円 第2、4日曜日
骨密度測定 800円 毎月第3木曜日

健康センターの施設は、300人が収容できる、音響設備、視聴覚設備、ピアノを備えたホール。3つの研修室、バレーコートが2面取れる体育館。トレーニングルーム、図書資料室などを利用することができます。 

三島、伊豆地域産業保健センター

 
 50人未満の事業所の従業員を対象に健康管理、健康相談、事業所訪問や産業保健情報提供などを行うために、三島労働基準監督署館内に設立されています。専任のコーディネーターが各事業所からの希望により訪問し、日時を決めて医師が指導を行っていますが、従業員が個人の資格で自由に訪問できる「健康相談窓口」も設置されています。検診結果の説明や、健康に関する悩みなどについて医師が相談に応じています。
 
問い合わせ先 
 三島、伊豆産業保健センター事務局(三島医師会内)
 TEL 981-9888
 医療機関
(いりょうきかん)市内の比較的大規模な病院としては、社会保険三島病院、三島東海病院などがあります。そのほか市内に157の 医療機関があります。

医療機関

              
医療機関内訳 医療機関数 医師数 病床数
病  院     7   41  755
診療所    一般
       歯科
    91   96  209
    59   73   2
合計    157  210  966
                       平成12年(2000)現在

社会保険三島病院 

新装なった社会保険三島病院の写真
   新装なった社会保険三島病院
 
 
社会保険三島病院は、地域医療の中核を果たし、長年市民の信頼を得ると共に、常に質の高い医療を目指してきた三島市における唯一
(ゆいいつ)の準公的病院です。また県東部の健康診査業務も担当し、成人病を中心とした診療部門の充実に務め、年間約46,000人の検診を実施しています。
 
 平成13年(2001)に創立100周年を迎える社会保険三島病院は、建物の老朽化
(ろうきゅうか)に加え、数回におよぶ増改築による構造上の問題、駐車場の不足など多くの問題を抱えているため、同年4月、三島市谷田藤久保に移転しました。
 
 新病院は地上6階、地下1階、400台収容の駐車場を完備、病床数163床は現在と変わりませんが、大部屋1室4床、個室17床のゆったりとした環境に加え、MRI(核磁気共鳴装置)の導入、3床のHCU(高度治療室)、4床のICU(集中治療室)、心筋梗塞
(しんきんこうそく)を中心に心臓疾患(しっかん)を取り扱うCCU(心臓集中治療室)を備えると共に、新たに耳鼻咽喉科、眼科、リハビリテーション科、放射線科が増設されます。このような万全の医療体制を配すと同時に、緊急医療への益々の充実も図っていきます。
 
 また本格的高齢化社会に対応すべく、3カ月を区切りに入所できる老人保健施設「サンビューみしま」も併接されます。同施設は床数98床、リハビリなどを行う訓練室などを設置すると共に、介護保険の対象となるショートステイ(1〜2週間程度)、一般入所(3カ月程度)の受け入れも行います。

三島陸軍病院跡
 大正8年(1919)、現在の文教町に陸軍野戦重砲兵第2、第3連隊のための陸軍病院がたてられました。戦後は国立三島病院になり、昭和31年(1956)には一般病棟91、結核病床177を有する病院でした。昭和41年(1966)には国立沼津病院の分院になりましたが、昭和42年(1967)国立沼津病院と三島分院が組織統合、清水町に移転し国立東静病院として発足しました。老朽化した三島病院の建物は取り壊されました。路地には昭和53年(1978)市民体育館が建てられました。
現在、体育館駐車場に「三島陸軍病院跡」の碑が建てられました。
三島陸軍病院跡の碑
  三島陸軍病院跡の碑

宇野朗の写真





  三島島の医学の先駆者

  宇野 朗(ほがら) 

 医学者 嘉永3年〜昭和4年(1850〜1929)



 私立三島病院(現、社会保険三島病院)の創設時に尽力し、近代外科学の先覚者
(せんかくしゃ)である宇野朗は伊豆国三島伝馬町(大社東側付近)に生まれました。
 東京帝国大学(現、東京大学)医学部を卒業、東京大学教授、東京大学付属病院長、東京大学評議委員を歴任、明治22年(1889)から3年間の欧州
(おうしゅう)留学後は、皮膚病黴(ひふびょうばい)(梅毒)学の講座を開設、明治36年(1903)には東京大学名誉教授第1号を授与されました。
 大学退官後は、東京浅草に楽山堂病院を開業し、特に貧しい人々のために医療を施しました。また並行して三島病院に出張し、郷里の患者の治療に当たっていました。「博士の治療を受けて助からないのなら、死んでも悔いはない」と、当時の町民たちの博士への信頼と尊敬の念は絶大なるものでした。

 79歳で逝去(せいきょ)した宇野朗の墓は、常林寺(じょうりんじ)(三島市本町)にあります。

→  常林寺
出典 『三島市医師会報 第301号』

 

太宰と三島病院のちょっといい関係

挿絵
 昭和9年(1934)、三島に滞在していた太宰治と社会保険三島病院(当時は私立三島病院)のおもしろい話を紹介しましょう。
 ある晩太宰は、酒に酔って着物姿で自転車に乗り、ひっくり返り怪我
(けが)をしました。それが珠玉(しゅぎょく)の作品『満願(まんがん)』が誕生するきっかけです。太宰は酒を飲んでいたために、ちょっとした傷でも出血がひどく、あわてて医者にかけこみました。作品中に、『まち医者は、32歳の、大きくふとり、西郷隆盛に似ていた。たいへん酔っていた。私と同じくらいふらふら酔って診察室に現われたので、私は、おかしかった。治療を受けながら、私が、くすくす笑ってしまった。するとお医者もくすくす笑い出し、とうとうたまりかねて、ふたり声を合せて大笑いした。』とあります。その主人公のまち医者とは、新潟県出身で、社会保険三島病院に勤務した後、南本町に産婦人科病院を開業(後に緑町に移転)していた、今井直医師ではないかと言われています。
 今井医師は日本画、俳句や版画で活躍した趣味の豊かな文化人でもあり、太宰とは非常にうまがあったと言われています。太宰は、毎朝散歩のたびに医者の家の縁側
(えんがわ)で新聞を読み、水量たっぷりの小川がゆるゆる流れているのを眺めながら、冷たい麦茶を飲んでいたそうです。こんな出会いとふれあいがあって、名作『満願』が三島の地で生まれたのですね。

救急医療体制

三島メディカルセンター 南本町4−31 TEL 972-0711
三島メディカルセンター地図 三島メディカルセンターの写真



三島市医師会による平日夜間、休日の救急医療施設です。
内科系、外科系の医師1人ずつが常駐していて、入院を要するような二次救急患者は、主に社会保険三島病院または東海病院へ転送します。

メディカルセンターの診療時間 
・内科小児科、外科

  平日の夜間  17:00〜21:00
  土曜日     14:00〜21:00
  休 日       9:00〜21:00

上記以外の時間

・内科小児科 沼津夜間救急センターへ
 平日、休日とも20:30〜翌朝7:00 
          TEL 951-6078

・外科 救急当番医へ21:00〜翌朝8:00
・脳外科、眼科耳鼻科

救急当番医などの問い合わせは
 
消防テレホンサービスTEL 976-6000

三島市医師会附属准看護学院


 昭和36年(1961)、社団法人三島市医師会附属准看護学院として開校。昭和38年(1963)3月に第1期生を送り出してからこれまでに、900余人の准看護婦を育成してきました。講師は臨床(りんしょう)経験豊かな会員医師と、日本大学、日本大学三島高等学校の教員などで、看護に必要な医学教育だけでなく、教養科目も学びます。
 
 優秀な准看護婦(士)養成を目的とし毎年生徒を募集しています。募集人員は1学年35人、修業年限は2年間、応募資格は 高等学校卒業の者またはそれと同等の学力を有すると学院長が認める者です。2学年修了後、県の検定試験を受け合格すると、准看護婦(士)の免許が得られます。
問い合わせ TEL 972-1174

訪問看護ステーション


 自宅で療養している方の家庭を訪問し、安心して療養できるように看護婦(士)が支援する制度です。看護全般の相談にも応じています。

・訪問日 月曜日〜金曜日 9:00〜16:30
     土曜日     9:00〜12:00
       (日、祭日、年末年始は休み)
・利用料金(医療保険) 
     訪問看護料 1回 600円(週3回まで)
     老人医療受給者 1回 250円
       (交通費、材料費は実費)
・三島市医師会訪問看護ステーション  
     TEL 972-0711
・静岡健生会訪問看護ステーション、ほほえみ  
   TEL 981-6653 
・訪問看護ステーション、梅名の里
   TEL 977-8686

救急車、救急救命士

高規格救急車 高規格救急車内部
        高規格救急車      最新機器を備えた内部

 市内で年間約3,000件の救急車出動要請があります。三島市は3台の救急車を所有し、そのうち2台は高規格自動車です。救急医療システム(救急患者を迅速(じんそく)に搬送するために、当番医やベッドの空き情報を素早く検索するシステム)の導入により、救命率の向上を図っています。平成3年度より導入された救急救命士(国家資格)制度により、平成13年11月現在6人の救急救命士がいます。より高度の救急救命処置(医師の指示のよる)が救急車内でできるようになりました。




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