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その他の昆虫

ハチ

コガタスズメバチ(スズメバチ


 体長約3p。頭、腹、胸部後方の斑紋(はんもん)は赤褐色で、その他の部コガタスズメバチのイラスト分は黒褐色、腹部の末端は黄褐色です。球形で、縞模様(しまもよう)のある巣は木の枝にかけますが、人家の屋根裏などにも作るので問題になります。樹液によく集まり、市内でもよく見かけます。これより大きなオオスズメバチは、山林の地中に巣を作る種類で、街中では見られません。









セグロアシナガバチ(アシナガバチ科)

 
 体長2〜2.5p。体は黒色で、胸部の大部分は黄褐色。越冬した1匹の雌蜂から春先に巣作りが始まり、材木のけば立った繊維をはぎ取って、枝先などに短い柄の付いた円盤状の巣を作ります。各幼虫室は円筒形で、それらを次々に周囲に増やしていくので、全体としてハスの実形になります。200室も作った巣は10cmを超えます。人家の屋根ガワラのすき間にも営巣
(えいそう)し、人間生活の場がもっともよい環境のようです。巣をいたずらすると攻撃されます。毒は強く、はれが引くまでに数日かかります



オオフタオビドロバチ(ドロバチ科)

 
 体長1.8〜2.1cm。体は黒く鮮黄色の斑紋や縞があります。頭は丸く
丈夫で大きなあごを持ち、胸は前縁が幅広くて黄色く、胸部背面に一対の黄紋、腹部に黄色い帯をもっています。肢は黄褐色です。県内の平地、低山地に分布します。初夏に羽化し、雌蜂は人家の軒などに営オオフタオビドロバチのイラスト巣場所を求めて飛びます。口径1cm程度の竹筒などを水平に置くと、その中に営巣
(えいそう)します。蛾の幼虫を毒針で麻痺(まひ)させ幼虫の餌として蓄えます。竹筒の中に連続して作られる幼虫部屋の境を泥壁(どろかべ)で仕切ります。








フタモンアシナガバチ(アシナガバチ


 体長1.5〜1.7p。体は黒く、触覚、肢は黄褐色で、頭、胸、腹などに鮮黄色の線や斑点があります。名前は、腹部にある一対の黄紋(きもん)に由来します。平地に最も多い蜂で、市街地にもよく見られます。屋根瓦の間などの丈夫な物の上に作ることが多く、9月末にはたくさんの黄色の雄蜂が発生し、庭の陽あたりのよいもの干し竿などにも集まります。雌は交尾後、ものかげで越冬します。春には1匹の雌蜂によって巣が作り始められます。



チョウ

クロアゲハ(アゲハチョウ科)

クロアゲハの写真
 翅
(はね)の開張は約10cm、全体に黒く後翅に橙赤色の斑紋があり、雌は特に大きく美しいです。4月ごろから羽化し、それは小型で春型と呼ばれています。7〜9月には大きな夏型が現れます。暖地性のチョウで、木に止まるときは前翅を開いたまま羽を垂れ、眠るときは翅を閉じます。幼虫はミカン科の植物につきます。春から夏にかけて花の上を飛び、ほの暗い木立の中をも飛び交っています。ヤマユリの花などで吸蜜する姿は印象的です。


アゲハ(アゲハチョウ科)


 翅の開張は約8cm、日本各地の平野に分布する最も普通の蝶です。4月上旬から斑紋の鮮やかな春型があらわれ、6〜10月に夏型が発生します。クロアゲハと共に、カラタチ、サンショウなどのミカン科の木の葉に産卵します。幼虫は大きな青虫で、驚くと頭のうしろからY字型の角(肉角)を出し臭気を発します。これはアゲハ類幼虫に共通する特徴です。


クロコノマチョウ(ジャノメチョウ科)


 翅の開張は約7.5〜8cm、樹林の「ほの暗い木の間」に棲()む習慣からこの名が付けられました。樹間を素速く飛びます。夏から秋にかけて発生し、珍しく成虫で越冬します。翅色は黒味を帯びた褐色、前翅の表面にある一対の蛇(じゃ)の目模様は大きいが、裏面にある紋は微小です。三島市内でも見られ、最近増加傾向にあります。ジュズダマ、ススキ、アワ、トウモロコシなどに産卵します。


キタテハ(タテハチョウ科)


 翅の開張は5.5 cm、翅色は黄褐色で翅の縁に凹凸の切り込みがあります。カナムグラに産卵し、幼虫はその葉に糸をかけて袋状にしてそキタテハの写真の中に潜みます。河畔、山麓の草原などに見られる蝶で、市街地でも見ることができます。6月上旬〜8月の終わりまで夏型の蝶が見られます。9〜11月にかけて発生する秋型は小型で越冬します。冬でも陽だまりで日なたぼっこをするのが見られます。










ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)


 大型のヒョウモンチョウで翅の開張は7.5cm程度、ヒョウモンは豹紋の意味で、黄褐色の地色に黒い斑点のある翅から由来します。この蝶の雄の翅の縁、つまり褄(つま)が黒いのでこの名が付けられました。したが、最近異常発生し、三島市内でも普通に見られるようになりました。異常発生といっても数年以上続くので、これが常態となりつつあります。

 これ以外にも、南方系昆虫の北上が多く見られるのが最近の傾向で、地球温暖化を指標するものとも言われています。ただし、この蝶の場合には、その食草であるスミレ類、とりわけパンジーが街中で多く栽培されるようになったためであるとも言われています。年4〜5回発生すると考えられています。花壇のさまざまな花に飛来して吸蜜しているのが見られます。幼虫は、体全体に刺
(とげ)を生やしています。



アオマツムシ(コオロギ科)

 体長約3p、偏平で長いひし形をした美しい虫で、鮮やかな緑色です。サクラ、モモ、ポプラ、カキなどの木の上に生活し、卵を生きた木の枝の中に産みます。近年は平野部に広がり、市街地の公園緑地で見られます。

 三島市内の桜の木などで、夜間ビビーンという感じの高い声で鳴いています。10月末まで生きています。


出典 『静岡県の昆虫』


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