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市民の手作り公園

 三島市民、企業、行政が一緒になって環境改善を行う特定非営利活動法人グラウンドワーク三島(以下、NPO法人グラウンドワーク三島)は、市内各所で公園づくりも行ってきました。

→ 特定非営利活動法人、特定非営利活動法人グラウンドワーク三島


三島梅花(みしまばいかも)の里


 ミシマバイカモを保護し育成する施設として、「グラウンドワーク三島実行委員会」(現、NPO法人グラウンドワ−ク三島)(注)が「三島ゆうすい会」を中心に、三島市や各企業、市民ボランティアの協力のもとに、平成7年(1995)から継続的に整備を進めている小さな湧水公園です。この土地は、向かい側にある佐野美術館から無償で提供されています。ミシマバイカモが育つには常にきれいな湧水の流れを必要とするので、湧水が涸渇(こかつ)する2月ごろは近くの雷井戸と呼ばれる井戸から水を汲み上げ、水を絶やさないように、三島ゆうすい会のボランティアが管理しています。

 移植されたミシマバイカモは手厚い保護の結果、ここで自然増殖するようになり、源兵衛川などにも移植し、三島の川に復活させようと市民が努力しています。

 割り箸や間伐材を使った手作りによる「リサイクル門」をくぐり、湧水の上にかかっている橋の上からミシマバイカモをごく間近で見ることができます。また市民の小さな手作り水車や木のデッキがあり、水神も
(まつ)られています。

三島梅花藻の里
三島梅花藻の里

(注) NPO法人とは、営利を目的としない市民活動団体で、NPO法(略称)施行後法人化が認められた。
出典 『Welcome to ふじのくに 三島』


清住緑地(きよずみりょくち)

清住緑地 市の西の端、清住町の俗称「クボッタ」という湧泉地に、自然観察園清住緑地があります。西側には境川が流れていて、広さは約85a、北側に1カ所と南側に4カ所の湧水口があります。

 
ここにはムクノキ、エノキ、ハンノキなどの樹木が自生し、キショウブ、ジュズダマ、イ(イグサ)、アシ(ヨシ)などの低湿地の植物や、オランダガラシ、ヤナギモ、エビモなどの水中の植物を見ることができます。周辺には、セキレイ、タヒバリ、カワセミ、コサギ、カルガモが生息
(せいそく)しています。また昆虫では、かつてトンボが30種類以上も生息していました。トンボ博士として世界的に有名な朝比奈正二郎博士が昭和25年(1950)ころまで、別荘を所有していました。

 緑地の特徴は、地域住民参加型の緑地であることです。NPO法人グラウンドワーク三島では整備工事前の計画から参加し、親子自然観察会や住民参加によるワークショップ(注)を開きました。その結果を反映した清住緑地整備計画案を提出し、事業主体である静岡県に認められました。この計画案には、トンボなどの昆虫が飛び交うビオトープゾーンと、地域の子供たちが作業できる水田があります。平成12年度末には工事が完了し、その後はNPO法人グラウンドワーク三島が仲介役として住民参加の緑地管理を行います。

(注) 討議を重ねる形の研修会
→  水辺の植物、ビオトープ、トンボ、朝比奈正二郎、鳥類
出典 『一級河川境川みずべプラン21推進事業に伴う設計業 依託報告書』、『一級河川境川みずべ21推進事業―地域参加による計画案の策定―概要書』


みどりふれあいの園

みどり野ふれあいの園 平成8年(1996)から東壱町田(ひがしいっちょうだ)町内会がグラウンドワーク三島実行委員会(現、NPO法人グラウンドワーク三島)の協力を得て、実行委員会をつくり、町内の市所有の空き地約630u(約190坪)を、花壇、野菜畑、藤棚、ベンチ、テーブル、水飲み場を備えた小さな公園として完成させました。

 富士山が北に見え、四季の花が植えられている公園は、自主管理により新興住宅街の交流の場、憩いの場として、住宅地の名所となっています。




鎧坂(よろいざか)ミニ公園

 
地域住民による作業風景
鎧坂ミニ公園

 平成5年(1993)、鎧坂にあるゴミ捨て場同然だった市、県、民間所有の遊休地、約120u(約36坪)が、花壇、水飲み場、椅子
(いす)、テーブルのある小さな公園に変身しました。

 文教町西町内会を中心に近隣町内会、子供会、北小学校PTA、老人会、婦人会が自主的に参加し、三島市や地元の企業の協力で、公園づくりの計画から取り組んだ手作りの公園で、その後の管理も行っています。住民の協力とともに、児童、生徒の通学路の憩いの場所として愛されています。

 
これは、グラウンドワーク三島実行委員会(現、NPO法人グラウンドワーク三島)の公園づくりの最初の事業です


鏡池(かがみいけ)

鏡池  
 菰池公園の南西にあり、かつては豊かな湧水池だった鏡池では、三嶋大社への参詣者はまずここへ立ち寄り、自分の姿を池に映し、身なりを正し、身を清めてからお参りしたそうです。すでに涸渇し、草が生茂
(おいしげ)り、忘れられた存在となっていた池を整備し、説明板も立て、定期的に手入れをしています。




沢地(さわじ)グローバルガーデン

沢地グローバルガーデン

 公園のゲートと四季折々の花々が訪れる人を迎えてくれます。グローバル文化交流協会が中心となり、時には、地域の人々、近くの小学生や幼稚園の児童や先生たち、在住の外国の人たちと共に、ボランティア活動で、広い花壇の手入れをしています。中央には、三島のALT(注)ロス・ドムニー夫妻の協力を記念して、「ドムニースクエア」という広場があります。

(注)Assistant Language Teacherの略、英語の外国人指導助手


特定非営利活動法人(とくていひえいりかつどうほうじん)
グラウンドワーク三島

グラウンドワーク三島のシンボルマーク グラウンドワークとは、市民、企業、行政が一緒になって地域の自然環境を改善していこうという活動で、1980年代にイギリスで始まりました。

 その方法を日本でいち早く取り入れたのが、グラウンドワーク三島実行委員会で平成4年(1992)のことでした。それまで三島の市内でそれぞれに活動していた8つの市民団体が、「環境問題」という共通のテーマで一緒に活動することになり、その後、徐々に増え、所属協力団体は、平成13年(2001)には、20団体になりました。

 「豊かな環境づくりをテーマとして住民アクションを」、「市民、企業、行政によるパートナーシップ」、「環境を創造していく具体的活動を」という3つのキーワードがポイントです。

 これまでに、川の再生、三島梅花藻の復活、公園づくりなど三島市内で多くの実践活動が行われてきました。また、ただ土地の改善をするばかりでなく、昔の祭りの復活や、「バイリンガル環境かるた」などの遊びを通しての子供たちへの環境教育など、人と人のつながりも大切にされているのが特徴です。その活動実践例を勉強したいと、年々多くの視察者や視察団体が全国から訪れています。

 「右手にスコップ、左手に缶ビール」という合言葉のもと、「みんなで楽しく汗をかくボランティア」の意味が、多くの人に伝えられています。

 この市民活動が認められ、平成8年(1996)に「地域づくり団体自治大臣表彰」を、平成9年(1997)に「自治大臣表彰・地方自治功労賞」を受賞しました。

 平成11年(1999)からは、特定非営利活動法人(NPO法人)グラウンドワーク三島として認証され、より充実した活動を展開しています。

 発足当時、イギリスのロゴを使用できないことが分かり、自分たちのロゴ作りにもとりかかることになりました。そして誕生したロゴで、実践地の表示板やパンフレット、名刺にも使用されて、グラウンドワーク三島の心意気を伝えています。


→  バイリンガル環境かるた

NPO法人グラウンドワーク三島のその他の実践(じっせん)活動


腰切井戸(こしきりいど)、腰切不動(こしきりふどうそん)の例祭復活

 南本町に埋まっていた古井戸を掘り出し、途絶えていた腰切不動尊の祭りや子供相撲(ずもう)を、平成12年(2000)、60年ぶりに復活させました。


桜川(さくらがわ)のカワバタ(川端(かわばた)

 昭和23年(1948)に上水道が普及する以前、この地域の生活用水にもなっていたのが桜川のカワバタです。捨て置かれていたカワバタを整備し、説明板を立て、カワバタ時代の背景を伝えています。


三島市民文化会館前の手作りプランター

杉のプランターは、協力事業所などから寄付された材料で手作りされています。季節ごとのワンデイチャレンジの日には、子供連れの家族や大学生のボランティアなどが楽しくプランターづくりや花の植え替え活動をしています。     

プランターの植え替え作業

プランターの植え替え作業

グラウンドワーク三島・所属協力団体


三島ゆうすい会

三島ホタルの会

(社)三島青年会議所

中郷用水土地改良区

グローバル文化交流協会

建築文化研究会

21世紀塾

宮さんの川を守る会

三島ワイズメンズクラブ

大通り商店街活性化協議会

源兵衛川を愛する会

桜川を愛する会

(社)三島商工会議所

三建会

富士ビレッジ楽しいまちづくり委員会

日本大学国際関係学部金谷ゼミ&国際協力研究会

三島まちづくり21

ふじのくにまちづくり支援隊


境川・清住緑地愛護会

遊水匠の会

平成13年(2001)現在



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