世古文書(せこもんじょ)

北条家朱印状
北条家朱印状

三嶋代官井出志摩守人馬賃定證文
三嶋代官井出志摩守人馬賃定證文

三島宿町軒図
三島宿町軒図

考察及び価値 

(1) 近世交通史解明資料としての価値
 世古家は江戸時代、三島宿の本陣として樋口本陣と相並ぶ由緒ある旧家であったが、現存する古文書は本陣関係文書にとどまらず宿運営・助郷等交通史解明に関わる多様な内容となっている。

(2) 近世初頭の貴重な古文書
 天正期の北条家朱印状を初め、慶長・寛永といった16世紀末から17世紀中頃までの近世初頭の文書が主として保存されている。これらの多くは昭和7年刊『静岡縣史料第一輯』にも収録されている学術的に価値の高い古文書である。

(3) 樋口文書との補完性
 もう一つの本陣樋口家の古文書は、既に昭和45年市指定文化財No.51『樋口家所蔵 三島宿本陣関係資料』として指定され、市郷土資料館で所蔵するところとなっている。世古文書は樋口文書を補完し、また樋口文書は世古文書を補完するものとして不可欠かつ貴重な古文書である。


世古文書目録
① 北条家朱印状
  酉年  天正元癸酉(一五七三)年または
       天正十三乙酉(一五八五)年

② 三嶋代官井出志摩守人馬賃定證文
     「覚」
    とら年(慶長の頃)
       慶長七壬寅丙午(一六〇六)年か

③ 世古彌三右衛門跡職譲状
     「我等あとしき清三郎二渡し申覚事」
    寛永二乙丑(一六二五)年

④ 三嶋町問屋年寄等口上書
     「乍恐御訴訟申上候事」
    寛文三癸卯(一六六三)年

⑤ 三島御代官伊奈兵蔵定書
     「定」
    寛文四甲辰(一六六四)年

⑥ 三島宿問屋場人足継賄
   神戸佐左衛門へ請負證文
     「覚」
    寛文七丁未(一六六七)年

⑦ 世古本陣由緒書
     「御由緒」
    天保四癸巳(一八三三)年

⑧ 京都より御下向の御姫君様泊勤方
   取極議定書の写
     「爲取替一札之事」
    天保十三壬寅(一八四三)年

⑨ 三島宿御請印帳
     「御請帳印帳」
    天保十四癸卯(一八四四)年

⑩ 三島宿町軒図
    年代不詳(元治元年?)

⑪ 三島宿御案内手帳 
    (年代不詳)

附 世古六太夫宛書簡

 ※①・②・③・④・⑤・⑥は
   静岡縣史料第一輯(昭和七年刊)掲載



市指定文化財(典籍)
平成14年3月1日指定
所在地 相模原市
一番町
所有者・管理者 世古明夫・三島市郷土資料館