箱根田遺跡出土祭祀関係遺物(はこねだいせきしゅつどさいしかんけいいぶつ)


箱根田遺跡は奈良~平安時代の遺跡で、三島市南部に拡がる田方平野、標高11mの安久地区に位置する。
 平成11年度、3,881㎡を対象に実施した発掘調査の結果、遺跡内には河川が流れており、川辺では自分の身に付いた罪やケガレを人面墨書土器や人形木製品に移し、川に流し去ることで禍が起こることを防ぐ「祓い」の祭祀を行なっていたことが分かった。また、この河川は下流では大場川から狩野川、さらに駿河湾につながることから、本遺跡は物資の集積を行なう水運の拠点だったと推定され、他地域から持ち込まれる物資のなかにあるケガレが、自分たちの暮らす地域に侵入し、禍を引き起こすことを防ぐ祭祀も行なっていたと考えられる。
 その他、水神に捧げたと考えられる馬の上下顎骨も出土しており、箱根田遺跡ではいろいろな祭祀が行なわれていた。
 平成15年5月、三島市では祭祀儀礼に使用された人面墨書土器12点、人形木製品10点などの祭祀関係遺物70点を三島市文化財に指定した。




市指定文化財(考古資料)
平成15年5月8日指定
所在地 大宮町
所有者・管理者 三島市