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水辺の植物

 三島のまちの川や池の水辺には身近な植物が見られます。植物は水の清らかさを計るバロメーターでもあります。

源兵衛川(げんべえがわ)で見られる植物

セリ(セリ科)

 春の七草の1つで、万葉の昔から食用野菜の代表として摘()まれてきました。1月〜3月は柔らかい新芽が生え、セリを摘む人が多いのですが、セリを絶やさないためには、根を抜かずに残すことが大切です。 セリの写真

オランダガラシ(アブラナ科)

オランダガラシの写真
 クレソンと一般的に呼ばれているヨーロッパ原産の(から)みのある食用植物です。茎の切れ端からも根を出し、繁殖力(はんしょくりょく)が強いです。

ヤナギモ(ヒルムシロ科)

 小川に自生(じせい)する沈水性(ちんすいせい)の多年草です。やや水が汚れていても生育します。水中で揺れ動く様子が風にふかれる柳の葉に似ています。初夏には、ツクシのような花序(かじょ)(注を出します。


(注) 花が茎または枝につく並び方。あるいは、花をつけた茎または枝。
ヤナギモの写真

コカナダモ(トチカガミ科)

コカナダモの写真

北アメリカ原産の水草です。観賞用として輸入されたものが、琵琶湖(びわこ)を中心として急速に各地の河川や池沼に広がりました。

エビモ(ヒルムシロ科)

 沈水性の植物で、少し水が汚れていても生育します。源兵衛川では、水量の減少と家庭排水の流入によって、ミシマバイカモが絶滅した時期でも生育していました。 エビモの写真

 ミゾソバ(タデ科)

ミゾソバのイラスト  1年草で夏から秋の水辺によく見られます。金米糖(こんぺいとう)に似た、かわいらしい花をつけます。

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

 渓流(けいりゅう)の湿った所などに群生しています。もともとは山の植物です。10月ころに咲くピンク色の花の形が小舟に似ていることから名前が付けられました。 ツリフネソウのイラスト

 中郷温水池(なかざとおんすいち)で見られる植物

マコモ(イネ科)

マコモのイラスト

多年草。湖沼、川、溝などの水中に群生します。根茎は太く、泥の中を横に()います。茎は中空で直径0.8〜1.5cm。葉は長さ40〜100cm、幅1〜3cmの線形です。花序は円錐状(えんすいじょう)につき、長さ40〜60cm。上方に雌性、下方に雄性の小穂がつきます。小穂は基部に関節があって脱落しやすく、雄性小穂は赤褐色で短い芒(のぎ)(注があり、雌性小穂は淡緑色で長さ2〜3cmの芒があります。


(注) 稲、麦などの実の殻にある針状の毛。

アシ(イネ科)

 別名ヨシ。川岸、湖岸、池や沼などの水辺、田んぼや湿地にも生えます。アシはしにも通じるということでヨシと呼ぶようになりました。葉は長さ20〜50cm、幅2〜4cmの線形。近年は護岸工事のため生育域がせまくなりましたが、水を浄化する目的で琵琶湖などでは保護運動も行われています。太い地下茎をはりめぐらして群生します。茎は硬くヨシズの材料になります。 アシのイラスト

 

チョウジタデ(アカバナ科)

 別名タゴボウ。水田などの湿ったところに生育しています。名は草の形がタデに似て、花がチョウジに似ています。根は細く横に()います。茎は直立、または斜めに立ち多数の枝を出し、ふつう赤みを帯びます。葉は長さ0.3〜1cm、幅1〜2cmの披針形で秋には赤く色づきます。

ジュズダマ(イネ科)

ジュズダマのイラスト  別名トウムギ(唐麦)。田のあぜや川岸などに生えます。名は果実を包んでいる苞鞘(ほうしょう)がかたく、数珠(じゅず)に似ていることによります。熱帯アジア原産で古くに渡来したと考えられています。茎は太く直立し、葉は長さ50cm、幅1.8〜4cm。

境川(さかいがわ)で見られる植物

ナガエミクリ(ミクリ科)

境川が国道1号をくぐった辺りは、ミクリの仲間の水草が繁茂しています。ミクリの仲間は絶滅危惧種に指定されている珍しい植物です。

→  源兵衛川、境川、中郷温水池、清住緑地、

ナガエミクリの写真
清住緑地には、セリ、ハコベ、ヤブカンゾウ、ヨモギ、ノゲシ、クレソンなど、食べられる植物が生育し、草みに訪れる人の姿も見られます。

ビオトープ

 ビオトープとは「ビオ(生命)」と「トープ(場所)」の合成語で、「動植物の生きられる環境」を意味するドイツ語です。「自然の状態で多様な動植物が生息する環境の最少単位」を意味します。

 人間は自分たちの都合に合わせて、環境を変化させてきました。その結果、本来複雑で多様な自然環境を単純化してしまい、さまざまな環境に適応して生きてきた野生動植物の生息地を破壊し、生物の多様性を減少させてきました。人間によって単純化された環境に、トンボやカブトムシ、メダカといった身近な生き物たちであふれた風景を取り戻そうという運動があります。

 「境川・清住緑地」では、静岡県、三島市、清水町が共同で自然環境のより豊かなビオトープ化を進めています。また、三島市立長伏小学校と中郷小学校では、校庭内に生態系教育・環境教育の体験的学習の場として「学校ビオトープ」の造成計画が進められています。

長伏小学校のビオトープ



 長伏小学校(中庭)のビオトープ

→  清住緑地、学校ビオトープ


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