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樹木

 三島のまちには、楽寿園をはじめ、三嶋大社や地域の神社、寺など身近なところに、巨木名木を含むいろいろな木があります。

 木々は夏には涼しい木陰を作り、空気の浄化や、土地に水を貯えたりしてくれます。鳥や昆虫にとって、大切な生活の場所でもあります。









三島市立公園楽寿園(らくじゅえん)の森

楽寿園の全景 楽寿園の森
 

 JR三島駅南口を降りると、すぐ目の前に緑豊かな楽寿園の森があります。植物の種類は、160種以上と言われています。三島溶岩流の岩盤の上に自生したものもありますが「さぎの森」「常盤
(ときわ)の森」を形成している樹木のほとんどは、明治23年(1890)の庭園築造の際に植えられたものです。100年以上たった今では、自然林の趣(おもむ)きがあります。
 それぞれの樹木に樹木名を書いた札が付いていますので、木の実を求めて集まる小鳥の声を聞きながら、散策路を回ってみましょう。



楽寿園で見られる木
アカマツ、クロマツ、スダジイ、クスノキ、ケヤキ、エノキ、クロガネモチ、アラカシ、ヒサカキ、ヤブニッケイ、アオキ、
カゴノキ、ヒメユズリハ、ウバメガシほか


楽寿園の森
→ 三島市立公園楽寿園、巨木と名木


三嶋大社(みしまたいしゃ)の森


 社叢(しゃそう)(神社の森)として大切に保存されている三嶋大社の森全体が、市指定の天然記念物に指定されています。天然記念物の樹齢1,200年といわれるキンモクセイや、「三島七木」の唯一の生き残りのクスノキをはじめ、100種類以上の木々があります。この森は、市街地にある貴重な緑です。


三嶋大社で見られる木
キンモクセイ、クスノキ、カヤ、ケヤキ、モッコク、エノキ、ムクノキ、サカキ、ウメ、ミシマザクラ、ソメイヨシノ、サカキ、センダン、ヒマラヤスギ、ヤマモモ、マキ、イチョウ、タブノキ、アラカシ、ヤブニッケイ、アオキほか

→  三嶋大社、巨木と名木



桜川(さくらがわ)沿いのシダレヤナギ

桜川沿いの歩道 白滝公園から三嶋大社の間の桜川沿いの歩道には、昭和30年代に植えられたシダレヤナギがあります。柳通りとも呼ばれています。

→  桜川







清住緑地(きよずみりょくち)の木々

清住緑地公園の写真

 清水町との境を流れている境川が、台地から低地へ流れる湿地が、清住緑地です。上流部にはハンノキの林がある湿地があります。










清住緑地で見られる木
ハンノキ、エノキ、ムクノキ、ヒノキ、マキ、カキほか
 

→  清住緑地 
出典 『三島市誌 下巻』p.942


イチョウ並木

イチョウ並木の写真  
 小学校、中学校、高校、大学が並んでいる文教町のイチョウ並木は約600m続き、三島市の名所の1つです。

→  三島市立北中学校


イチョウ(イチョウ科)

イチョウのイラスト 老木には気根(きこん)(幹から出て空気中に露出した根)が枝から垂れ下がり、葉は秋に美しく黄葉します。雌木(めぎ)になる実(ギンナン)は食用になります。

 三島市の「市の木」に指定されていて、文教町の並木のほか神社、寺院の境内や学校の校庭に、大きく育った木が見られます。






アカマツ、クロマツ(マツ科)

アカマツのイラスト アカマツの特徴は、樹皮(じゅひ)は赤褐色(せっかっしょ)で、葉はクロマツと比べて柔らかで細く、女性的で、メマツ(雌松)ともいいます。やせ地でもよく育ちます。

 クロマツは枝振りが力強く、樹皮は黒褐色で、葉はかたく太く男性的です。沿岸部に自生するほか、各地に植えられ名木も多かったのですが、昭和20年代から松枯れが広がり、天然記念物が何本も枯れてしまいました。

出典 『ふるさとの自然 東部編』




並木(国立遺伝学研究所前

遺伝学研究所の桜並木


国立遺伝学研究所の桜並木

 谷田(やた)の国立遺伝学研究所の前には、約700mの桜並木があり、三島市の桜の名所の1つです。

→  国立遺伝学研究所、ミシマザクラ


桜並木(妙法華寺)


 玉沢の妙法華寺に行く道の両側には、桜並木があります。また、境内にもヤマザクラの古木があります。かつて妙法華寺の例祭(4月16日)のころは桜が満開で大変にぎやかでした。
その他市内の桜の名所
三嶋大社、上岩崎公園、長伏公園、末広山ほか

妙法華寺


箱根の松並木

箱根松並木の写真
 旧東海道の箱根路の「石畳」と並んで、もう1つの旧跡は「松並木」です。江戸時代の風情を残している松並木も、残念ながら年々減少しています。

→  松並木







箱根で見られる木
クロマツ、スギ、エノキ、アカガシ、アオキ、タブノキ、スダジイ、イヌガシ、ヒサカキほか



三島の街路樹

芙蓉台メーン通り ヤマボウシ、コナラ
平成台沢地工業団地メーン通り クロガネモチ、トチノキ、カツラ
富士見台メーン通り イチョウ
谷田幸原線 ナンキンハゼ
小山三軒家線 イヌツゲ
光ヶ丘メーン通り アメリカフウ、ユリノキ、クロガネモチ
祇園原線 ナンキンハゼ、コブシ、 イチョウなど
西若町 ハナミズキ
せせらぎの道(菰池公園下流) イロハモミジ、アラカシ、シダレヤナギ 
柳郷地緑道 シダレヤナギなど
東大場幹線 トチノキ、クスノキ
松本長伏公園通り サルスベリ


ハンノキ(カバノキ科)

 
ハンノキのイラスト 湿った低地に生える落葉高木で、花は早春に咲きます。

 果実は長さ約2cmの円形で、翌春まで残っています。昔は、田の畔(あぜ)などに植えられ、薪に使われていました。平地では、ほかに燃料用の木がなかったので貴重だったのでしょう。


カヤ(カヤ科)

カヤのイラスト 宮城県から西に生育する常緑高木で、雌雄別株です。種子は秋に熟し、食べられます。木材は最高の碁盤(ごばん)となります。

 三嶋大社では、神池の西側中ほどに見られます。楊原
(やなぎはら)神社(北田町)の境内には、三島市の巨木指定のカヤがあり、ミツバチがすみかとしていたそうですが、平成11年(1999)ごろに枯れてしまいました。今は切り株が残っています。








「けんぷんなしの木」のはなし

ケンプンナシの木の写真ケンプンナシの木のイラスト 

 

   平成13年11月上旬採集

 沢地の駒形神社の本殿に向って右横手前に「けんぷんなしの木」
(注)と呼ばれている大木がそびえています。ちょっと見た感じでは、桜の葉を柿の葉くらいに拡大したような葉がたくさん茂っていました。

 秋になって実った実をよく食べたそうですが、見上げても実らしきものは見当たらず、落ち葉の中から去年の実を、案内してくれたKさんが見つけてくれました。

 上の右図は拾った実のスケッチです。左の写真は平成13年(2001)11月上旬に採取したものです。不思議な形にくねくねした点々の部分を食べるそうです。木の葉の落ちるころに、行ってみるといいかもしれません。

(注) ケンポナシの方言。各地に自生する落葉高木で実は約7mmの球形をしていて紫褐色に熟す。実のついた肉質の太った花穂の枝は、食べると甘い
出典 『静岡県樹木名方言』、『かわらばん沢地』16


巨木と名木


 三島市内には名の知られた樹木が数多くありますが、代表的な巨木、名木は次のとおりです。
場所 巨木名木

天然記念物

三嶋大社

樹齢約1200年のキンモクセイ

国指定

樹齢約1000年のクスノキ

社叢(しゃそう)
市指定天然記念物

楽寿園 樹齢約350年のアカマツ(いこいの松)   

神明宮
(御園(みその)

樹齢約300〜350年のクスノキ5本

社叢(しゃそう)
市指定天然記念物

樹齢約300年のイヌマキ5本

妙法華寺
(玉沢)

樹齢約300年のスギ数本

  

樹齢約200年のヤマザクラ

  

山中城跡
(山中新田)

アカガシ 県指定
スギ(矢立のスギ) 市指定 

見目(みるめ)神社
(佐野)

樹齢約500年のスダジイ(イタジイ)   

樹齢約300年のカゴノキ

  

御嶽(みたけ)神社
(青木)

親子モッコク 県指定

鈴木家
(中)

樹齢約350年のカシワ

市指定

願成寺(がんじょうじ)
(川原ヶ谷)

樹齢約300年のクスノキ

市指定

(みみいし)神社
(幸原)

樹齢約330年のスダジイ(イタジイ)

市指定

御嶽神社のモッコク 御嶽神社の親子モッコク
御園の神明宮社叢 神明宮の社叢

楽寿園のアカマツ 楽寿園のアカマツ
山中城跡のアカガシ 山中城跡のアカガシ
耳石神社のスダジイ 耳石神社のスダジイ

出典 『三島市誌増補』p,936『郷土資料館だより第64号


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