―数寄屋造りの建造物―  梅御殿 (平成18年1月1日号)

 梅御殿(うめごてん)は現在の楽寿園に隣接し「小松宮様の別邸造営当時(明治23年)に、京都御所から移築された」と伝えられています。床柱(とこばしら)に梅の銘木(めいぼく)が使われていることから「梅御殿」と称されており、市民文化会館建設を機に緒明家から三島市に寄贈されました。

 数寄屋(すきや)造りの建物は、和室7室から成り、襖絵(ふすまえ)や杉戸絵をはじめ、釘隠(くぎかくし)、引手などの細部にも意匠(いしょう)が凝らされています。ちなみに数寄屋造りとは、茶室風を取り入れた建築様式で、千利休(せんのりきゅう)によって完成されたともいわれています。

 御殿を彩る10面の杉戸絵は、中国や日本の故事を主題としたものなどがあり、それぞれが優雅に御殿を装飾していました。

【広報みしま 平成18年1月1日号掲載記事】