三島市共創指針について

共創とは、官民連携による公共サービスの提供等を指し、民間事業者等と事業計画の段階から対話を通じたコミュニケーションを積み重ね、パートナーとしての信頼関係を築くことで、これまで行政が行ってきた分野に民間事業者等の専門性の高いノウハウや技術、資金、アイデアなどを活用し、持続可能で良質な市民サービスの創出、地域や経済の活性化を目指すものです。

三島市共創指針

共創の取組について

 労働雇用環境の変化、ライフスタイルの多様化、災害の激震化、国際的な環境保全の推進等、市が対応を求められる行政ニーズは多様化、複雑化が進んできました。一方で人口の減少、少子高齢化による社会保障費の増加、公共施設の老朽化、行政職員数の減少等により市の行政経営の状況は厳しくなってきており、将来的には、従来の方法、水準では公共サービスを維持することが困難になると予測されます。このような状況に置かれる中、従来の業務のあり方を見直し、新しい官民の関係を構築し、限られた経営資源で公共サービスの維持または新たな展開を図っていく必要があるため、三島市では共創に取り組んでいきます。

共創の目的

(1) 市民参画のまちづくり


 官民連携により、これまでに培ってきた協働の取組による市民主体のまちづくりをさらに発展させ、市民・団体・企業・行政が連携・協力し、個々のもつ知識や経験を最大限に生かして地域課題の解決に取り組みます。

(2) 持続可能な行政経営


 行政経営における民間事業者等の参画を促すとともに、専門性の高いノウハウや技術、資金、アイデアなどを活用し、新たな事業機会の創出による地域経済の活性化と持続可能な行政経営の実現を目指します。

(3) 多様化するニーズに対応した市民サービスの向上


 共創の取組による行政サービスの担い手の拡大により、行政ニーズの多様化、複雑化に対応した、良質な市民サービスを提供し、市民の満足度、幸福度の向上を目指します。

民間提案制度の実施

 共創の取組を展開するため、民間事業者が自らのアイデアやノウハウ、技術等によって市民サービスの質をさらに向上できる提案を、主体的に行うことができる「民間提案制度」を実施します。
 民間提案制度を実施するために下記取組を行います。

(1) 共創リストの公開


 積極的に民間事業者から提案を受けたい社会課題・テーマをまとめ、市HP等で公表し、民間事業者との事業目標の共有、活発な対話へと繋げていきます。

(2) 提案の受付


 市と民間事業者が互いに対話を進め、新たな事業機会の創出と社会課題の解決に取り組むための相談・提案窓口として政策企画課共創推進室で受付し、民間事業者からの提案を一元的に対応します。
 政策企画課共創推進室で民間事業者から募集する提案は下記2つの類型により実施します。

ア テーマ提示型(共創リストに対する提案)
 市が共創リストにより公表しているテーマに対して、民間事業者が解決策を提案するもの。

イ 自由提案型
 市のまちづくり・環境・健康・福祉・子育て・経済・教育・行財政運営などすべての行政分野のいずれかで市民サービスの向上に寄与し、民間事業者が自由に提案するもの。

民間提案制度における原則

 民間提案制度を進める姿勢・あり方として、以下の原則に則って進めます。

(1) 対等・対話の原則


・市は、民間事業者等と事業計画の段階から対話を通じたコミュニケーションを積み重ねます。
・できるだけ早い段階から議論を開始し、ゼロベースから民間と市で方向性や課題を共有し、共に解決策を模索していきます。

(2) 目標共有の原則


・目標を共有し、市民、民間事業者、市それぞれがメリットを享受できる関係を構築します。
・民間事業者と市は、常に4つの視点(市民・利用者の視点、財務の視点、成長・発展の視点、地域・社会の視点)を共有しながら民間提案制度の取組を進めます。とりわけ、市民・利用者にとっての価値を向上させることを目指します。

(3) アイデア保護と透明性の原則


・市は、事業提案の募集等を広く呼びかけ、オープンな過程の中で事業を実施し、公正性、透明性、競争性の確保に配慮しながら事業を実施します。
・市は、民間事業者のアイデア、ノウハウ、技術等は、民間事業者の重要な経営資源であることを認識し、独自性を持つものに関しては、知的財産として尊重し、適切に情報管理を行います。

(4) 役割分担と責任明確化の原則


・市と民間事業者は、共通の目標達成に向け、相互の持つスキルやノウハウを明らかにし、相互の能力が最大限に発揮できるように、事業におけるお互いの役割分担を明確にします。

民間提案制度の流れ

 民間提案制度を推進していくために、市は民間事業者のアイデアを歓迎し、対話を重ねることでイノベーションを引き出し、事業を創出する仕組みを構築します。

(1) 提案・発想の段階 ~相談・提案の受入とコミュニケーションの開始~


 市が抱える課題や政策の方向性(ビジョン)を提示するなど、市の情報を積極的に公表するとともに、市の民間提案の窓口を明確にし、公共サービスに対する民間事業者からの相談や提案を積極的に引き出します。
 比較的緩やかなアイデアの段階から民間事業者と市の対話を開始し、共に提案内容の実現可能性を探り、市は計画・検討の段階に進むべきかどうかを判断します。

(2) 計画・検討の段階からコミュニケーションを通じた事業の創出


 事業の枠組み作りに向けて、民間と市が目標を共有化したうえで議論を深めます。対話の結果を踏まえ、提案の採否、最適な官民連携手法の選択、他の事業者の参加機会の確保などを判断し、その合理的な理由を示すことで説明責任を果たします。

(3) 事業具体化の段階 ~最適な主体による事業の具体化~


 事業実施主体の選定にあたっては、透明性・客観性のある選定を行い、また、価格だけではなく、提案の質、地域性などを考慮し、総合的に評価し、選定します。
 契約・協定の締結にあたっては、役割分担と責任の所在を明確にした契約内容を双方で作ります。さらに、ニーズに応じた柔軟な対応、特に優れた事業運営を誘引する考え方を整理していきます。

(4) 改善の段階 ~安定的・効果的な事業運営~


 市と民間事業者が協力しながら公共サービスを提供していくという観点から、必要に応じて、事業のモニタリングや市と民間事業者との連絡会などの場を設けるなど、事業の改善を行い、より良い公共サービスの実現を図ります。