(第70号) ~古希の祝い着~ 赤いチャンチャンコ (平成5年4月1日号)

赤いチャンチャンコ
 普段着ている衣類に対して、お祝いの時などの特別な日に着る衣類を晴れ着といい、ふだん着と区別していますが、私たちは人生において何回の晴れ着を着るものでしょうか。

 晴れ着は生涯に少なくとも三回身に着【つ】けるといわれています。初宮参り、結婚、葬式です。衣類事情の良くない昔でも、この三回だけは人生の重要な節目として理解され、ふだん着とは異なる衣類を身に着けたものでした。

 現在では、これに加えて七五三、入学式、卒業式、成人式、それと何回かの「年祝い」の日に晴れ着を着ることが習慣となっているようです。生活の向上は、ふだんの日(ヶ)と晴れの日(ハレ)の区別をあいまいにしたようです。

 ところで、人の一生は、山あり谷ありの極めて起伏に富んだドラマチックなものですが、寿命を全うして幸せな人生を過ごすことこそが、最大の目標であろうと思います。そうしたことから、人生の細切れな節目を重要に考え、それを真剣に生きることは、また大切な生き方であろうと思われます。

 「年祝い」は、近年流行の「祝いごと」ですが、かなり盛んに行われ、今や「民俗の祝いごと」の中に含まれて考えられるようになっています。

 昔からいわれている「年祝い」は還暦【かんれき】です。干支【えと】の一回り(60年)をいい、これを盛大に祝ったものでした。

 次の「年祝い」は「古希【こき】」でした。年齢は70歳。肉体的には衰えは否めないが、まだまだ精神的には人並以上です。

 写真の「赤いチャンチャンコ」は「古希」(70歳)の祝いに、親族から贈られたものです。赤い色は、生命の躍動感を表現したものであるといわれています。

 人生80年といわれる今日、70にして、更に人生に力を得て、せめて一世紀は生きたいものだと思いませんか。 
(広報みしま 平成5年4月1日号掲載記事)