三島の地形・地質

 静岡県東部火山帯の中央にあって、北に富士(富士山3,776.3m)・愛鷹(越前岳1,505.5m)の両火山があり、東側に箱根(神山1,438.2m)・多賀(玄岳799.1m)・天城(万三郎岳1,406.8m)などの火山が南北にならび、西側に江の浦(鷲頭山392m)・達磨(達磨山981.9m)・猫越(猫越山1,034.7m)などの火山がこれに並行しています。
 この東西両火山群の間の沖積層を狩野川(47.15km)が流れ、これに沿って国道136号線が走っています。
 市街地は海抜15mから20mぐらいです。北はゆるやかに箱根・愛鷹の山すそをのぼって佐野地区が海抜100mとなっています。東は塚原新田の入り口が110m、山中新田が580mと、いわゆる箱根の西の急斜面です。南から西にかけては狩野川の沖積平野や三島・沼津平野が開けています。
 地質については、「静岡県の地質図」を参考にしてください。
 箱根や伊豆半島を誕生させたのは富士火山帯であり、この富士火山帯に沿って、本州を西南日本と東北日本の二つに大きくわける地質上の裂け目(フォッサマグマ)があります。また、古くより多くの地質がみられる地方といわれてきました。
 三島の地質について少し詳しく見てみましょう。三島駅の付近には、地表にまであらわれている穴だらけの岩がたくさん見られますが、これは富士火山の基底溶岩(三島溶岩流)といい、この溶岩流は御殿場線にそって約2Km幅で三島にくだり、その南端は市街中央部に達しています。
 水泉園の岩が露頭の末端で、この溶岩流の厚いところでは90mに及んでいます。南部は沖積層です。以前、南小学校で井戸を掘った時には、岩にあたらず砂礫ばかりが出てきたそうです。この沖積層が三島・沼津平野を作り、さらに南に広がって田方平野となっています。
 東部の高地は箱根火山の噴出物でおおわれ、山ろくは火山灰・浮石流で、三ツ谷・塚原あたりには湯河原火山の噴出物も見られます。
 西部は市外の黄瀬川西岸まで火山灰・浮石でおおわれ、高地になると愛鷹火山の噴出物が見られます。
 なお、ここで富士箱根伊豆国立公園のことについてお話をしましょう。
 1936(昭和11)年、富士箱根国立公園が誕生しました。この公園は富士山を中心とする地域と箱根を中心とする地域とにわかれています。三島はこの箱根を中心とする地域の西入口にあたっています。
 1955(昭和30)年には、この富士箱根国立公園に伊豆半島が加えられ、新たに富士箱根伊豆国立公園となりました。
 三島はこの新たに加えられた伊豆地区の中央玄関口にもあたるわけです。沼津インターや裾野インターが完成し、首都圏から短時間で訪れることができるようになったため、三島市の北東部から箱根峠にかけていくつかのゴルフ場が建設されました。
                 ●三島市教育研究会「三島」より