慢性腎臓病(CKD)の食事のコツ

慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓はそらまめのような形をした握りこぶしくらいの大きさで、腰のあたりに2個あります。 血液をろ過して、老廃物や体に不要な水分、塩分などを尿として排泄し、体の中の環境を維持する重要な働きをしています。
慢性腎臓病(CKD)とは、尿や血液、腹部超音波、CTなどの検査で腎臓に異常があり、その異常が少なくとも3ヶ月以上続けて認められることで診断されます。
食事療法を取り入れることで、腎臓への負担を減らしたり、人工透析の導入を遅らせたりすることができます。

まず減塩!!

高血圧は腎臓の細い血管を傷つけてしまうため、CKDの原因となったり悪化させたりします。また、CKD自体も高血圧の原因となり、高血圧を悪化させることが知られています。
食塩摂取量の平均は、男性が10.7g/日、女性が9.1g/日(令和5年度国民健康栄養調査より)ですが、CKDを予防するためには、1日の食塩摂取量は6g未満を目標にしましょう。

★減塩のポイントはこちらから!★
減塩にはたくさんポイントがあります。自分にできることから始めて、続けることを大切にしましょう。

野菜を十分にとりましょう

野菜にはたくさんの「カリウム」が含まれており、摂りすぎた食塩を排泄する働きがあります。 ゆでたり蒸したりするとかさが小さくなるので、食べやすくなります。
1日350gを目標に野菜をとりましょう。


生野菜の場合は両手に乗せて3杯分、ゆで野菜の場合は片手に乗せて3杯分が約350gです。

カリウム制限がある方は


  • 野菜を小さくきってから茹でこぼす
  • 生で食べるときは、野菜を小さく切ってから水にさらす
  • 果物は生のものより、缶詰を選ぶ(シロップは飲まない)
  • お酒は適量を楽しみ、休肝日をつくる

    お酒は意外とカロリーが高いもの。おつまみは脂質・食塩も多く、飲酒後の夜食も太る原因になります。

    週2回は休肝日をつくる

    以前よりも少ない量で酔えるようになり、お酒の量も減らせます。

    ノンアルコール飲料を選ぶ

    適量以上のお酒を飲みたいときは、ノンアルコール飲料に置き換えましょう。

    おつまみにひと工夫

    味の濃いおつまみはお酒が進んでしまいます。 野菜、大豆、魚中心のメニューにしましょう。

    生活習慣を気を付けましょう

    適度な運動を

    運動をすると中性脂肪が減り、HDLコレステロールが増えます。また、CKDの方にとって適度な運動は腎機能を維持する効果があると言われています。 主治医と相談のうえ、適度な運動を取り入れましょう。





    禁煙する

    たばこは、がんや心臓病、脳卒中にかかりやすいです。さらに、喫煙しているCKD患者は喫煙しない患者に比べてCKDが悪化し、人工透析を導入する可能性が高くなります。 禁煙をお勧めします。

    適正体重を維持する

    BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
    適正体重:BMI18.5~24.9


    BMIが25未満でも、内臓脂肪が多い隠れ肥満の場合もあります。腹囲が男性は85cm、女性は90cm以上だと内臓脂肪がたまっていると考えられ、たんぱく尿や腎機能の低下につながりやすいです。BMIや腹囲が基準を超えている方は、今の体重の3%の減量を目標にしましょう。

    その他の生活習慣病も予防しましょう

    高血糖状態が続くと、腎臓の血管が傷つき腎機能が低下します。また、コレステロールや中性脂肪が高い方は、心臓病や脳卒中を起こしやすく、CKDも悪化しやすいと言われています。 CKDだけでなく、他の生活習慣病にも気を付けましょう。

    食事から糖尿病を予防しましょう
    食事から脂質異常症を予防しよう!

    相談会もご利用ください

    栄養士と個別に相談ができる、栄養個別相談を実施しています。事前にお電話ください。

    また保健師、栄養士、歯科衛生士と相談ができる総合健康相談会も実施しています。 野菜の摂取量が足りているか測定したい方、健康状態をチェックしたい方、健診結果が気になる方、お気軽にご参加ください。
    ※予約制のため、事前にご予約ください。
    総合健康相談会について